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【第175回】日本と世界の働き方の違い 2022.8.11送分

ブログマインズのわくわくキャリア相談室

こちらのブログではFM GENKI(エフエムゲンキ)にて放送中のラジオ番組、【マインズのわくわくキャリア相談室】のトーク内容をご覧いただけます。

■放送日時  第2・4木曜日 9:29~9:49
■提  供  株式会社マインズ

 

メインスピーカー

株式会社マインズ  代表取締役 会長 河本 尚吾

MC

FM GENKI  パーソナリティー 津雲 あおい さん 

海外の就業は日本より学歴社会!?

津雲 さて、河本さん。何ヶ月か前にもお話を聞いた事がある、働き方の日米の違いというか、日本と世界の違いみたいなお話を、もう少し詳しくお聞きしたいんですけど。ジョブ型とかメンバーシップ型でしたっけ?ありますよね?そのお話を。

河本 どちらから説明したらいいでしょうかね?日本の事は、みんな日本に住んでるのでわかると思うんですけど(笑)

津雲 大体、イメージとしてはわかると思うんですけど。知ってるのが、日本の働き方しか知らないので、当たり前だと思っていた、例えば、人事が「人事異動はこうですよ」とかって決めるっていうのが、実は世界では同じような感じで人事がいるわけじゃないんだよっていうのをチラッと聞いたような気がするんです。

河本 その通りです!日本の会社は人事部、人事が結構な権限を持ってて全体をやるんですけど。

津雲 そうですよね。会社の中心みたいな感じですよね?

河本 一般的な社員の話でいいですかね?それっでいうと、権限を持ってるのは上司です。アメリカでもヨーロッパでも。権限っていうのは、給料の権限もそうです。

津雲 えっ、お給料まで上司の方が!?人事じゃなくて?

河本 権限持ってます。人事は無いっていったほうが等しいですね。 

津雲 無いんですか~!?

河本 なぜかというと、一般社員の話ですけど、アメリカもそうですし、ヨーロッパもそうですけど。ヨーロッパは国ごとに若干の違いはあるんですけど、基本的に社内の異動が無いです。

津雲 ずーっと同じ所にいるんですか?

河本 はい。基本的にそうです。何にでも例外はあるんですけど、基本的にはそうですね。むしろ、そのジョブ型っていうのがちょっとミスリードっぽいなーって。その仕事に応じて給料を貰うわけなんですけど。ここはアメリカでいった方が分かりやすいと思うんですけど、ポストなんですよ。

津雲 ポスト?うーん。立場っていう感じ?役割?

河本 その課に課長以外に一般社員が5人居ますと。じゃぁ、その1と5っていうポストなんですよ。そのポストに入ったら基本的にそこから動かないんです。

津雲 はい。

河本 ずーっと同じ仕事をするじゃないですか?だから、ジョブ型みたいな感じなんですけど。ジョブを異動できるっていう事もないんですよ。

津雲 あー。そのジョブを始めたらずっと同じ?

河本 基本的には。効率が上がるから多少給料は上がりますけど。日本みたいに、段々と階層も含めて上がっていくみたいな事は絶対にないです。

津雲 あー。日本だと、今はどうか分からないですけど、最初は平社員で入って、ちょっとすると異動があったり、係長になったり主任になったりどんどん上がっていくっていう。

河本 それがないです。

津雲 ないんですか…。

河本 アメリカだったら、そのポストが空いた時に、既にその試験に受かってるとか、それを熟すだけの能力があるとして、候補として既にリストアップされてるとか、そういう事はたまにありますけど。外部からもそのポストを狙ってたりしますからね。

津雲 あー。同じ同僚とかではなくて、外からやってくるんですね!?

河本 車のディーラーだったら、違う車種のディーラーをやってた店長の方が、車屋の店長だったら、違う会社で違うメーカーの店長をやってる人の方が適正あるじゃないですか?

津雲 あー。よく売りますよ!と?

河本 経験者なのでね。 

津雲 経験者だからかぁ。。

河本 だから、普通にそっちを取られる場合があります。

津雲 へぇ~。うかうかしてられないですね(笑)

河本 だから、基本的に、いわゆる日本でいう出世みたいなのをしようと思うと、もう一回大学入り直して、勉強し直してそっちの方にいくとか。そういう事をしないと、日本みたいに勝手に上がっていくのはないですね。

津雲 あー。何か難しそうですね。

河本 逆に、エリート層っていうか、経営幹部層、経営層は、最初から難しい大学出て、そういう学問を専攻して、最初からそっちの候補として入ってるので、全然一般社員とスタートラインから何もかもが違います。

津雲 なるほど!

河本 給料も全然違います。

津雲 はい(笑)だから、自分はどっちの道に進もうかっていうのを、かなり早い段階で決めてるっていう事ですか?

河本 そうです。ドイツとかだったら、確か中学一年位で、そういうキャリアカウンセリング、コンサルティングみたいなのがあるはずです。

津雲 あっ、そういうのを皆受けて、「じゃあ、あなたはもうちょっと勉強して上の方を狙いなさい」とかそういう事ですか?

河本 ある意味日本より学歴社会。

津雲 そうなんですね~。

河本 そっちを目指すか、いわゆる、専門職を目指すかの2パターンみたいな感じですよね。

津雲 つまり、何かの技術や知識を身に付けて、そちらの道を極める方向に行くのか、もしくは、大学に行って経営とかを選ぶか?

河本 そっちは研究もありますしね。そういう分野にいくのか。大きな分野の中の一個が経営なので。そうやって稼いでいくのか、学者を目指すのか、先生を目指すのか、そういった話だと思うんですけど。そこを目指さなかったら、いわゆる労働者の道で、どんな労働者を目指すのかっていう話になりますよね。

津雲 あー。労働と一口にいっても色んな業界があって、何の技術を身に付けるかっていう話ですよね?

河本 そうです。パンのレジ打ちにも資格があるっていう感じですかね。

津雲 おー!

河本 パン屋のレジ打ちにも資格があって。そりゃぁ、国家資格とかじゃないですよ。その職業組合、職業団体が作った資格がないとそもそも就けないっていう。

津雲 なるほど~。じゃぁ、例えば、そのお仕事に就いて、経験を積んだらその仕事の中ではどんどん給料が上がっていく?

河本 いかないです。

津雲 えっ!いかないんですか…。

河本 効率が良くなった分多少は上がります。でも、初めてその職に就いてからいわゆる退職、定年。ヨーロッパは定年がない所が多いですけど(笑)日本でいう定年の年齢になるまでの伸び率は1.3とか。その代わり、日本でいう初任給はそんなに低くはないですけど。

津雲 あー。元々、技術に対しての対価が払われる?

河本 そうそうそう。それじゃないキャリアを選びたかったら、それは自分の問題なので、自分がどうにかする事であって。

津雲 じゃぁ、途中で変えようと思ったら、学校から行き直すっていう感じなんですね?

河本 基本的にはそうです。起業するとかそういう話は別ですよ。要するに、お給料の稼ぎ方でいうと大きく分けるとそうです。

津雲 はい。

河本 なので、日本以外は、大学を卒業したからとか、専門学校みたいな所で訓練卒業したからっていっても、基本的に未経験者にお給料を払うという文化がないんですよ。

津雲 え!ちょっと待ってくださいよ!皆、最初は未経験じゃないんですか?

河本 会社からすると経験者を雇った方が良いじゃないですか?

津雲 そうですね。

河本 22歳の未経験者よりも、40歳の経験者の方が良いっていう考え方なんですよ。効率が良い。

津雲 うーん。即戦力っていうやつですね。

河本 そうそうそう。なので、先進国の話ですけど、アメリカとかヨーロッパの方が若者の失業率は高いですよね。

津雲 あー。

河本 高齢者の失業率の問題よりも、若者の失業率の方が問題なんですよ。

津雲 そうなりますよねー。経験がなくて迷いがある訳ですよね?

河本 だって、使えるかどうかが分からないんですよ。

津雲 うーん…。どうするんですか?

河本 なので、インターンです。

津雲 インターンっていうと、よく学生さんが会社に行ってトライやる・ウィークみたいな?(笑)

河本 日本語で言うと丁稚奉公です。

津雲 あー!つまり、その仕事の経験を積むために、何年か見習いをする?

河本 そうですそうです。それこそ、その仕事のスキルにもよりますけど。半年なのか一年なのか二年なのかは、その会社によると思うんですけど。その頃は無給に近い形ですよね。

津雲 え~…。

河本 そうやってポストを獲得していくっていう感じなんですよね。アメリカは特にそうですね。

津雲 その間は辛いですね…。

河本 辛いです。

津雲 でも、そこで何とか踏ん張るとその仕事で食べていける?

河本 そうですね。その仕事がある限りですけど。技術革新とかでなくなったら終わりですけどね。

津雲 そっかぁ。それを中学校の時とかに考える訳ですね?

河本 ヨーロッパはそうですね。アメリカは、また色んな意味で特殊で。公立学校の生徒の4割は英語が喋れないって聞いたので。最早、一部の超優秀な人が引っ張っていったらそれでいいっていう考えなのかもしれないですし、ちょっとよく分からないです。

津雲 はい。色んな国の色んな事情があるとは思いますけど。

河本 そう。色んな事情があるので。

 

「働く」と「労働」の違い

津雲 そう考えると、働くって一体何なの?っていう感じがしますね。各国によってあまりに違うと。

河本 就職っていう話とかはアレですけど、要するに労働事情ですよね。

津雲 労働事情?はい。

河本 働くは法律用語ではないので。

津雲 あっ、働く=労働ではないんですね?(笑)

河本 働く=労働ではないです。

津雲 あっ…はい。

河本 どちらかというと、仕事=労働なんじゃないかなっていう感じですかね。

津雲 仕事=労働だけど?

河本 違いはありますよ(笑)

津雲 はい(笑)何か段々ややこしくなってきましたけれども。

河本 でも、お給料を貰って仕事をする場合と、お給料を貰わないで仕事をする場合とかあるじゃないですか?

津雲 あー。ありますねぇ。

河本 何を仕事と捉えるかって人によるんですけど(笑)まぁ、そうなると幅が広がってしまうので、今は働くだけに絞っていったらいいのかなと思うんですけど。まぁ、労働って、言葉自体は無味無臭のはずじゃないですか?

津雲 言葉。はい(笑)どんな言葉でも無味無臭かなと思いますが(笑)特に労働は?

河本 それ以上でも以下でもないというか。労働力も提供して、その労働の対価として賃金をいただきますと。

津雲 はい。

河本 どういう労働力を提供できますか?っていう話だと思うんですよ。それがヨーロッパとかアメリカの方が少し色が濃いっていう。

津雲 あー。もっとドライな感じって思っていいですか?

河本 うーんと…これもシステムの違いなんですけど、アメリカは特に上司がクビにする権限がある訳じゃないですか?

津雲 あー。人事がないですもんね。

河本 だから、仕事ができないからクビ。これは当たり前なんですよね。

津雲 はぁ…。今の日本はそんな事ないんですよね?

河本 日本は、立て付け上それができないです(笑)だから、仕事ができないのにクビにできない訳ですよ。要するに、だからこそ異動がある訳なんですよ。

津雲 なるほど!!

河本 この上司がダメだったからって、そんなの簡単にクビにしちゃダメでしょう?

津雲 そうですね。ちょっと環境を変えていただきましょう。

河本 別の部署では上手くいくかもしれないでしょっていう考え方なんですよ。全然考え方が違うっていう。

津雲 はい。何となく分かりました! 

河本 だから、「仕事ができるんだったらいつまでもやってくださいね」だから定年がない訳じゃないですか。

津雲 はい。

河本 日本は、仕事ができなくてもクビにできないのに、定年も無くなったらどうなるんだ?っていう話になっちゃう訳ですよ(笑)

津雲 あははは(笑)永遠に働く事になってしまいますね。

河本 それを会社は耐えれるのかと(笑)

津雲 無理ですね(笑)

河本 だから、そういう事を一個一個整理しないと、なかなか…。じゃぁ、能力が抜群に高かったらトヨタに入社できますかっていうと、なかなかそういう訳にもいかなかったりする訳じゃないですか?

津雲 難しいところですね。

河本 日本の場合は、新卒の方が入りやすかったりするし。だから、良い大学に行けっていうのは未だに残ってたりするんですけど。

津雲 はい。

河本 まぁ、メガバンクがリストラとかし始める時代ですから。結局、そういう制度の違いがある中で、どういう風に職を選ぶかっていうのは、本当に人それぞれの価値観だと思います。

津雲 はい。単なる労働によって食べていく事が幸せな人もいれば、そういう労働では我慢できないから、自分は単なる労働じゃないお仕事がしたいわって思う人もいる訳ですよね?

河本 いますね。働くっていうのは、ハタを楽にするため。まぁ、綺麗事かもしれないですけど、要するに人のために動くっていう事じゃないですか?

津雲 だから、働くと労働っていうのはちょっと違うよっていうのはその辺りにある訳なんですね。

河本 労働は自分が食べるためですからね。

津雲 うーーーん。まぁ、できれば自分だけじゃなく、ハタの人も幸せにできたらそれが一番良いですよね~。

河本 だから、それをしようと思うと、労働と働くと、どちらの方に能力が必要ですか?スキルが必要ですか?信念が必要ですか?ってなると働くの方だと思うんですよ。

津雲 なるほど~。

河本 だって、自分以外の人の事もできないといけないんですよ。

津雲 そう。考えなきゃいけないんですよねー。

河本 それは、かなり崇高な言葉だと思うんですけど。皆は、自分の食べるためだけに働くっていう言葉を使ってないかなーっていうのは思いますね。

津雲 ちょっと耳が痛いお話で終わりましが(笑)マインズのわくわくキャリア相談室、本日はこの辺りでお別れです。河本さん、ありがとうございました。

河本 ありがとうございました。