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2020年10月9日、令和3年に施行される派遣法改正の6つの内容が公示されました。
2021年1月・4月に施行されますが、派遣労働者を受け入れておられる企業様にも関わる注意点・変更点がありますので、ご紹介させていただきます。
◆令和3年1月1日施行内容
1.派遣労働者の雇入れ時の説明の義務付け
派遣元事業主に対して、派遣元事業主が実施する教育訓練や希望者に対して実施するキャリアコンサルティングの内容について、派遣労働者に対して雇入れ時に教育訓練計画の説明をすることが義務付けられます。また、教育訓練計画自体の変更時も、同様に説明の義務が生じます。
POINT |
2015年9月30日の労働者派遣法改正で、人材派遣会社に「派遣労働者のキャリア形成支援制度を有すること」が義務付けられました。これらに基づいて設けられれている教育訓練やキャリアコンサルティングの内容について、派遣労働者の採用時(労働契約の締結日前)に説明が必要となります。 |
2.労働者派遣契約に係る事項の電磁的記録による作成について
派遣元事業主と派遣先企業との間で締結される労働者派遣契約は、書面による作成が必須でしたが、この改正により、電磁記録での作成も認められます。
POINT |
派遣労働者への労働条件・就業条件明示は、電子メールやSNSによる送信が認められていましたが、企業間のやりとりでは電子化が認められていませんでした。令和3年以降、デジタル化が認められ、契約関係の書類でも押印そのものを求めないデジタル文書の対応が可能になります。 |
3.派遣先における派遣労働者からの苦情の処理について
派遣労働者から、労働関係法上(労働基準法・労働安全衛生法・育児休業・介護休業)に関する苦情があった場合、派遣先企業も主体的に対応する義務づけられます。
POINT |
これまでも派遣元事業主には、派遣労働者からの苦情の相談先を設定する義務はありました。今回の法改正では、派遣先企業にも派遣労働者からの苦情・相談などがあった場合は、対応することが義務化されます。 |
4.日雇派遣について
派遣労働者の責に帰すべき事由以外の事由によって労働者派遣契約の解除が行われた場合について、必要な雇用管理が適切に行われるようにするため、派遣元事業主は、新たな就業機会の確保ができない場合であっても、休業等により雇用の維持を図るとともに、休業手当の支払等の労働基準法等に基づく責任を果たすべきことを明確化する。
POINT |
無断欠勤や職務怠慢など派遣労働者側の問題がある場合を除き、契約解除となる場合は、雇用機会の確保のために派遣元事業主で休業手当などの支払いが義務となります。 |
◆令和3年4月1日施行
5.雇用安定措置に係る派遣労働者の希望の聴取等
派遣元事業主は、雇用安定措置を講ずるに当たっては、派遣労働者の希望する措置の内容を聴取しなければなりません。またその聴取結果を派遣元管理台帳に記載しなければなりません。
POINT |
派遣元事業主は、同一組織に継続して3年間派遣される見込みがある派遣労働者に対し、「派遣先への直接雇用の依頼」「新たな派遣先の提供」「派遣元での無期雇用」「その他安定した雇用の継続を図るための措置(※雇用を維持したままの教育訓練・紹介予定派遣等)を講じる義務があります。 ※1年以上3年未満の見込みのスタッフについては、努力義務。60歳以上の者は適用外です。 |
6.マージン率等のインターネットでの情報提供について
労働者派遣法第23条第5項の規定により、派遣元事業主による情報提供の義務がある全ての情報について、インターネットの利用その他の適切な方法により情報提供を原則とします。
POINT |
派遣法23条第5項の概要ついては、以下の通りです。 ・労働者派遣事業を行う事業所ごとの当該事業に係る派遣労働者の数 |
◆2020年中に派遣先企業に求められることとは?
今回の法改正では、主に派遣元事業主となる派遣会社が対応すべき内容がほとんどでした。
しかし、派遣先企業に対しても、派遣労働者から苦情・相談などの申し出があった場合には、誠実かつ主体的に対応することが義務付けられます。
令和3年1月1日施行となりますので、労働者派遣サービスをご利用されている企業様は年内の対応が必要です。
・今後、派遣スタッフの導入を考えている
・長らく派遣を使っていないので、最新の労働者派遣法がよく分からない
・法改正にどう対応してよいか分からない
という企業様は、お気軽にご相談ください。
お電話やWEBツールを使った非対面型のご相談にも対応していますので、ぜひお気軽にご相談ください。