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【第205回】扶養の制度について考えよう

ニュースブログマインズのわくわくキャリア相談室

こちらのブログではFM GENKI(エフエムゲンキ)にて放送中のラジオ番組、【マインズのわくわくキャリア相談室】のトーク内容をご覧いただけます。

■放送日時  第2・4木曜日 9:29~9:49
■提  供  株式会社マインズ

 

メインスピーカー

株式会社マインズ  代表取締役 会長 河本 尚吾

MC

FM GENKI  パーソナリティー 脇 たまき さん

 

 

学校では教えてくれないこと

  さて、河本さん。今回もどうぞよろしくお願いいたします。

河本 はい。

  今日はですね、私の友達も悩んでいるんですけど、女性の働き方をこれからちょっと変えていった方がいいのか?っていうキャリアプランの変化とかを考えている人もいると思うので、その辺も含めて教えていただきたいのですが。

河本 はい。

  “106万円”の壁とか、壁を取っ払うみたいな話がちょっと前にありましたよね?あれをちょっと具体的に教えていただきたいなと今日は思ってまして。

河本 はいはい。まあ、その“106万円の壁”とか色々言うのは結局扶養の話なんですね。

  あっ、はい。

河本 要するに、そこで扶養から外れちゃうっていう様な話があると思うんですけども。

  配偶者の扶養から外れてしまう?

河本 そうですそうです。それの“扶養”っていうのもややこしいんですけど、そもそも二種類あるんです。

  はいはい。

河本 社会保険で言う扶養と、税金で言う扶養があるんですよ(笑)

  えっ、そうなんですか!?

河本 そうなんです(笑)だから、皆「扶養の範囲で働きたい」とか言うじゃないですか?

  ええ。言います。

河本 「どの扶養?」って聞かないとダメなんですよ。

  あっ、そうなんですか!?ややこしいですね~。

河本 そうです。ややこしいんです!学校で教えるべき事ですよ(笑)

  そうですよ!!

河本 だって、ほとんどの学生を卒業して社会に出た人が給与所得を貰う訳じゃないですか?

  はい。

河本 っていう事は、100%に近いじゃないですか?

  そうですね。

河本 99%は貰うでしょ?一回は。

  はい。貰います。

河本 じゃあ、何故学校で教えないの?っていう。

  ほんとだ!言われてみたら。

河本 絶対に必要な事を教えずに何を教えるんだろうなっていうのを思うんですよ。

  授業に無いですね。

河本 無いですよ。義務教育で教えてもいいくらいですよ。ほとんどの人が必要としてるんですから。

  はい。

河本 それを社会に出て、企業なりが自己負担で教えたりとか、自分で努力して勉強して「そんなの自分でやりなさい」って、じゃあ学校行かなくていいやんかっていう話ですから。

  そうですよね。生きていく上で必要な事ですもんね。

河本 だからこんな事にね。しかもこれ昔からあるんですよ。今に始まった事じゃないんです。

  103万の壁みたいなのは聞いた事があって、あと106万、あと130万とか値段が色々とあった気がします。

河本 厳密に言うと、103万っていうのは所得税です。

  103万までが所得税を払わなくていい?

河本 いい。この100万ていうのは地域によって違うんですよ。姫路は93万だったかな?住民税です。

  あー。そうなんですか!?

河本 そうそう。それを超えたら住民税を払わないといけないです。

  なるほど。90万とかそれ位だったら住民税を払わなくていい?

河本 うん。でも、106万っていうのが、これが最近できたやつです。

  ほぉ~。

河本 最近っていうか昔からあるんですけど。顕在化してきたのが、言ったら一昔前は500人以上の会社だけが対象だったんですよ。

  結構大きな会社ですね。

河本 だから、それが300人になり、100人になり、来年には50人になる。で、その内無くなると。だから、ほとんどの人がこれも対象になるっていうので、やっと一般の人も何これ?っていう様な話になってきたっていう。それまでは130万の壁っていうのが、これは社会保険の方の扶養から外れるっていうところです。

  社会保険っていうのは、厚生年金と?健康保険…?

河本 そう。健康保険と厚生年金の扶養から外れて自分で払わないといけなくなるっていう。

  それが130万ですね?

河本 本当は今まではそうだったんですけど、それが130万じゃなくて106万に下がっちゃうっていう話ですね。

  あっ、そうなんですか!?え…じゃあ、ちょっと辛くないですか?

河本 辛いです。

  今まで130万以内で扶養されてた人達。

河本 そうです。理不尽にも程があるんですよ。

  ですよね!

河本 何がややこしいかって言うと、僕も税金は税理士じゃないので専門じゃないですけど、所得とかって累進課税って聞いた事あると思うんですけど。

  はい。

河本 「幾らまでは5%ですよ」「幾らを超えてここからはここまでは10%ですよ」とこういう感じです。

  所得税率?

河本 そうです。で、住民税を併せたらMAXで55%ですよという感じですね。

  半分以上!!(笑)

河本 そう。所得税だけで言うと45%。10%は住民税ですからね。55%っていう。それも確か4000万超えたらなので。

  うわ~雲の上の人だ(笑)

河本 そうです。この超えた分に掛かる税率なんですよ。これが税金の計算方法で、分かり易く言うと、仮に5%とするじゃないですか?

  はい。

河本 で、100万を超えました。お給料110万になりました。これに5%掛けます。って言うと、超えた分に掛けるんです。

  10万に掛ける訳ですね。

河本 だから、10万の5%だから5000円ですね。それを所得税として払わないといけない訳なんですよ。

  はい。トータルは110万入ってるけど、10万に対して所得税の5000円が掛かるっていう事ですね。5%が。

河本 そうそうそう。社会保険は同じ形で言うと、106万を超えました。同じ様に110万です。

  4万超えた訳ですよね?

河本 そう。4万超えたんです。でも、110万に15%掛かるんです。

  え!?4万に掛からないんですか?

河本 そうです。これが一番の違いです。

  しかも15%も?

河本 そう。15%は前からですけどね。

  あっ、そうなんですか(笑)

河本 同じ様に15%会社も払います。

  あっ、折半で払う訳ですね?

河本 そう折半で。なので30%なんですよ。

  国は30%入る訳ですね?

河本 そうです。給料の30%だからとんでもない額ですよ。全国の。

  うわ~…これは前からあったんですか?

河本 前からです(笑)それが社会保険料率って言われてるものです。

 

じりじりと。そしてじわじわと

  知らなかったです…。

河本 厚生年金と健康保険料併せて。

  あ~…そうですか…。

河本 それで「金ない」って言ってるんですよ。

  なるほど…。

河本 なので、いきなり106万から110万になったからって、それに15%引かれたら16万位いきなりドンっと手取りが減る訳でしょ?

  凄いですね…。

河本 じゃあ、給料が上がったのに手取りが減ったっていうのが出て問題になったので、今回は会社がその分補てんしたら会社に助成金出しますっていうのが創設されたっていう。

  「減った分を会社がちょっと足してあげてください。財源は国から出します」っていう事ですね?

河本 まあ、厳密に言うと、助成金っていうのは雇用保険から出るので。

  あっ、そうなんですか?

河本 しかも、企業が負担してるお金なんですよ(笑)

  はい。雇用保険はそうですよね。

河本 だから、税金じゃないんですよ(笑)会社が拠出してるもので制度を作って補てんしてもらうので。

  あっ、そうなんですか。

河本 そうです。別に国が偉そうに言う事じゃないんですよ(笑)

  会社が持ってるお金をそっちの方に回すっていう事っですか?

河本 まあ、会社がプールしてるお金を戻すみたいなものですよね。

  あ~。 

河本 は??って感じでしょ?(笑)

  はい(笑)何かそれも期限がありましたよね?

河本 2年。最大2年だったかな。

  2年だけ?

河本 だから、結局その後減るんですよ。

  その2年は何の2年なんですかね?

河本 うるさいからじゃないですか(笑)

  あははは(笑)いきなりやったらうるさいから?

河本 そう。

  でも、2年後は結局減るんでしょ?

河本 減ります。

  え~…そんなアホな(笑)

河本 そうです(笑)で、その財源は?って言うと、会社が払ってる雇用保険から出すので。国は何にも痛くないですよ。

  その雇用保険の充実がしなくなるとかはないんですか?

河本 充実がしなくなるとは?

  会社が持ってる雇用保険。

河本 雇用保険料として国に払ってるんですよ。

  あー、そっかそっか。

河本 社会保険も国に払うでしょ?雇用保険も国に払ってるんですよ。

  そうなんですね…。うーん。でも、それは結局2年後には手取りが減るんですよね?

河本 そうです。増税と一緒ですよ。

  そうですよね。でも、よくある番組とかで見てたら、女性が凄く働きやすくなりますよっていう風に言ってる番組が多かったんですよ。

河本 いや、「働かざるを得なくなりますよ」が正しいですね。

  あー、減る分だけ? 

河本 減るので生活できないじゃないですか?働かないとしょうがないじゃないですか?

  はい。

河本 だから、「働かざるを得なくなりますよ」が正しいです。

  うわあ…。「働きやすくなりますよ」じゃないんですね!?

河本 違います。生活を苦しめるので、そのままだったら無理だから働かざるを得なくなりますよっていう。

  そうなりますよね。

河本 そうそうそう。その為の環境は整えませんよっていう(笑)

  うわあ~辛いですね!

河本 まあ、元々そんな感じですしね。昔から。 

  そうですかあ…。

河本 だって、少子化対策何十年やってるんですか?っていう。

  そうですね。

河本 少子化になる対策をしてるんじゃないかなっていう。

  逆ですか(笑)

河本 そうそうそう。

  でも、逆に考えたら、その壁があるんでしたら、それ以内にそれを超えない様に自制しようっていう人が増えるんじゃないですかね?

河本 そうでしょうね?だから、結局その人の自由ですよね。そういう抑えたいとか会社にも言われるでしょうし。でも、ぶっちゃけ会社と労働者との労働契約を従業員の都合でコロコロ変えるだなんて本来あり得ないんですよ。おかしいじゃないですか?

  はい。そうですね(笑)

河本 でも、実態としてはそうなるでしょうねっていう。意味が分からないですね(笑)

  あははは(笑)でも、超えちゃうとその手取りが減ってくるっていう事は。

河本 こういう風に、今回106万でどうのこうのって広く知れ渡ったので良いと思うんでけど、結局いつになるかわからないですけど、扶養という概念を無くしますって言ってる訳なんですよ。無くしたいんですよ。

  流れとしてはそんな空気がありますよね。

河本 いつで完全に無くなるかはまだまだですけど、なんせ無くしたい訳ですよ。

  じわじわと?

河本 じわじわと。方向性は間違いなくそうなので。

  何か、消費税じわじわと上げたい流れがありますね。前回話したじゃないですか?インボイス制度からね。今回も(笑)

河本 無くしたいんです(笑)

  じわじわとね。

河本 全ての人から幅広く保険料も取りたいんです。

  あ~…困りましたねこれは。

河本 まあ、でも、もう変えられないですしね。

  そうですか…。

河本 そういうのに適応した生き方、能力、努力をして行かないと何もしてくれないですからね。

  私の友人なんて子育てしてて、働きたくても働けないんですよ。やっぱりね。誰かに預けたらいいじゃない?っていう話もあるんですけど、預ける金額の方が大きいんですよ。

河本 うーん。はいはい。保育園とかね。

  そう。保育園のお金も結構高いらしくて。そしたら、何の為に預けてるか分からないから、結局、働かない、家で子育てしてると。そうすると、今106万の壁があるからその子は扶養されてますけど、これがどんどん減らされる方向にいくとね。

河本 扶養って企業で勤めてる人の話だと思うんですよ。国民健康保険とか国民年金とかにはそもそも扶養の概念がないですから。

  そうですね。自営の人とかね。

河本 まあ、それと一緒にして行きたいっていう事ですよね。

  あー、配偶者がサラリーマンの人でね。

河本 完璧にサラリーマン狙い撃ちなんですよ。

  そうですよね。そうなってきますよね。

河本 そうです。あれ、三波春夫だったかな?大昔に“サラリーマン気楽な家業ときたもんだ”っていうフレーズ聞いた事あると思うんですけど。

  ありました!

河本 気楽な家業じゃなくなったんですよ(笑)完璧に。

  そうですよね~。だから、インボイスだって、今まで年収1000万以下の人は消費税払わなくていい。でも、それを無くして行きましょうっていうのでインボイスが始まった訳なんですけど。今回の事は、サラリーマンの人で配偶者が103万、106万以下の人は守って行きましょうっていう、それをなくしていこうっていう流れですよね?

河本 うん。これは公務員も一緒ですからね。

  あー、そうなんですね。

河本 うん。だから公務員だけ別かって言ったらそうではなくて。まあ、うちの弟は東京で消防士をしてますけども(笑)

  あっ、そうですか。

河本 公務員じゃないですか?

  そうですね。

河本 「手取りはここ5年ちょっとずつ上がるけど、額面はほとんど変わってないんだけど」って(笑)だから、そういう意味で言ったら一緒なんですけどね。

  額面は上がってるけど手取りは変わってないですよね?

河本 それは民間も一緒じゃないですか?

  はい。額面は上がってるんだけど、手取りは変わらない。そうですよね…。いや~、何とかならないかなあ…(笑)いや~でも、そういう仕組みが分かっただけでも賢くなった気がします!

河本 デフレにならない訳がないという(笑)

  そうですよね。マインズのわくわくキャリア相談室、本日はこの辺りでお別れです。次回は12月14日の放送です。河本さん、ありがとうございました!

河本 はい。ありがとうございました。