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こちらのブログではFM GENKI(エフエムゲンキ)にて放送中のラジオ番組、【マインズのわくわくキャリア相談室】のトーク内容をご覧いただけます。
■放送日時 第2・4木曜日 9:29~9:49
■提 供 株式会社マインズ
メインスピーカー
株式会社マインズ 代表取締役 会長 河本 尚吾
MC
FM GENKI パーソナリティー 脇 たまき さん
可処分所得について
脇 さて、河本さん。
河本 はい。
脇 今回はですね、ちょっとこの間ニュースにも出てました気になる話題をピックアップしたいと思うんですけれども。
河本 はい。
脇 岸田総理の“賃上げ要請”っていうのがありました。そして、“異次元の少子化対策”っていうのもあったのでその辺りを教えていただきたいと思って。
河本 分かりました。ネットでは、岸田さん本当に人気ないですね。ハッキリ言って。
脇 何かね(笑)ウクライナとかにも行かれたりとか色々とされてるんですけど。
河本 うーん…。まぁ、防衛のところとかは僕は専門外なので、その賃上げとか、異次元の子育て支援とか、そこはある程度専門なので色々と思うところがある訳ですよ。
脇 ええ。やっぱり経営者としての?
河本 その目線もありますし、社労士の目線もありますので。
脇 あっ、そうですよね。
河本 賃上げ要請って…首相がするものなんですかね?
脇 あははは(笑)
河本 一見、良い事してる様に思うんですけど。それで「はい、わかりました!」ってなるんだったら社会主義じゃないですか(笑)
脇 まぁ、そうですね(笑)上の一声でっていうね。
河本 そうです。独裁でもいいですけど(笑)ではなくて、企業が賃金を上げれる環境を作る、お金を循環させる、経済を活性化させる、その為に必要な法律を整備する、それが政治の仕事のはずなんですよ。そこをすっ飛ばして「何も変えませんよ。でも、賃金は上げてくださいね。」って言ってる訳じゃないですか?これめちゃくちゃじゃないですか?
脇 そうですね(笑)何か、私達労働者からしてみたら、単純に「わぁ~嬉しい」ってなるんだけれども、会社を経営されてる方にとっては「え!?何??」って思ってる方って多いんでしょうね。
河本 景気が悪いのは企業のせいですか?
脇 ってなりますよね。
河本 賃金が上がらないのは企業のせいなんですかね??絶対に政治のせいだと僕は思うんですよ。まぁ、その政治家を選んでるのは国民だって言ったらそれまでなんですけど(笑)
脇 はい…。
河本 外国と比べて30年給料が上がってない。寧ろ下がってる。
脇 そうなんですよね~…。
河本 ちょっと専門用語になりますけど、“名目賃金”と“実質賃金”っていうのがあるんですよ。名目賃金はそのまま見た目です。これが横ばいもしくは下がってると。
脇 なるほど。
河本 実質賃金っていうのは物価の上昇とかね、そういう物価とかを加味した賃金。要するに、可処分所得に近い様な話なんですよ。
脇 へぇ~。
河本 じゃあ、どれ位使えるんですか?っていうと、めっちゃ下がってるんですよ(笑)
脇 可処分所得が?
河本 そりゃそうですよね。物価、日本以外は上がってるんですから。
脇 そうですね。
河本 輸入も上がってる訳で。
脇 物が高くなってますね。
河本 電気代、ガス代、教育費上がってるでしょ?
脇 めちゃくちゃ上がってます。
河本 じゃあ、使えるお金減るでしょ?
脇 減ります…。
河本 そりゃ、減るんですよ(笑)税金も上がってるでしょ?
脇 上がってます!
河本 社会保険上がってるでしょ?
脇 上がってます…(笑)
河本 豊かになる理由ないんですよ。
脇 そう!本当に辛い…。
河本 この30年給料が上がらなくてそういう状況にしたのは、働き方が悪いからですか?
脇 皆、一生懸命働いてきましたよ!
河本 企業も努力してますよ。っていう事は、明らかに政策の失敗じゃないですか?
脇 ねぇ…。
河本 それの責任を一切取らずに、企業に責任転嫁するって「え!?小学生でもできるやん!」っていうのが本音なんですよ。しかも、それが責任転嫁するどころか自分が良いことしてる様に見せるでしょ?
脇 あははは(笑)
河本 それってズルい…。これは気付いてちょっとくらい文句言わないとダメやろう!っていう位のレベルだと思いますけど。
脇 うーん。
河本 しかも、僕らは賃金専門なので、30年給料が上がってないとか、公に言われ出したのはこの2~3年だと思うんですよ。ニュースで見る様になったのは。
脇 はい。そうですね。
河本 10年前も当然上がってないので、僕は20年上がらないって言ってたんですよ。今後も上がらないでしょうと。
脇 今後もですか!?
河本 いや、10年前にね。
脇 あっ、はい。
河本 だって、同じ政策を続けたら同じ結果になる訳で。その中でどうやって生活していくかを考えないとねって。どの能力を身に付けないといけないかを考えないとねっていう様な話のはずなんですけども。
脇 はい。
河本 「じゃあ、賃金上げてください。異次元の少子化対策します。」と。ラインナップがいくらか出てきたんですけど。児童手当の拡充。要するに所得制限を無くすとか、本来は3歳まで。例えば、3歳以降、小学校出るまでは児童手当が出るとかは各自治体がそれぞれでやってるんですよ。
脇 あっ、そうなんですね。
河本 今のところ、国がやってる児童手当は3歳まで。まぁ、所得制限付きの。これを拡充するって言ってるんですけど。これの原資社会保険なんですよね。
脇 え!?っていう事は、社会保険料が上がる?
河本 その事業主負担分なんですよ。
脇 あっ、事業主の?
河本 負担分があるんです。“児童手当拠出金”っていうのがあるんですよ。これを上げるよって言ってるのと一緒じゃないですか?
脇 そうですね。
河本 っていう事は、企業は利益減りますよね?
脇 はい。
河本 賃上げの環境とは逆の環境を作ろうとしてる訳ですよね(笑)
脇 うーん…そうですね(笑)
河本 言ってる事とやってる事が真逆じゃないですか?
脇 うんうん。
河本 “育児休業給付金”っていうのがあるんですけど、要するに、出産して一年間育休を取りますよっていう時は給付金が出るんですよ。税金じゃないですよ、雇用保険からね。
脇 あっ、雇用保険から。
河本 これは、労使が折半で掛けてるんです。
脇 そうですね。
河本 これは、今の法律ではザックリと現役時代の6割位なんですよ。これを100出しましょうっていう話をしてるんです。「じゃあ、雇用保険料上げるんですね?」と。「じゃあ、企業は利益減りますね」と。「従業員は手取り減りますね」と。
脇 そうですね。
河本 一体何がしたいんですか!?っていう(笑)
脇 うーん。
河本 なので、賃金を上げても、名目上は税金じゃないかもしれないですけど、保険料とか色々な形で抜かれちゃうんですよね。だから、可処分所得が増えないんですよ全然。っていう事を政策とかその枠組みを変えてこなかったからこうなってるんですけど、今後も変えないっていう話じゃないですか?「じゃあ、我々はどうやって老後を安心して暮らしていくんですか?」っていう質問に対する回答が無い訳じゃないですか?
脇 そうですね~…。
河本 そりゃ、企業は何を言われるか不安だから貯めますよ。
脇 そうですよね。今後何があるかも分からないし。
河本 そりゃ、従業員だって無駄遣いしない様になりますよ。個人で無駄遣いしないのはいいですけど、全体で見たら消費の低迷ですからね。
脇 うんうん。景気が悪くなっちゃいますよね。
河本 そりゃ、将来不安だから結婚しなくなりますよ(笑)
脇 今、多いですね(笑)
河本 全てが悪循環になってて、それを「どれ一つ変えませんよ」って言ってる様にしか見えないので。これを企業努力でどうにかしなさいよって言われてる訳じゃないですか(笑)
脇 厳しい…(笑)
河本 何て理不尽な政府なんだろうっていう風に思いますね。
健康保険と税金について
脇 社会保険料とか雇用保険とかって何か地味に上がってるじゃないですか?
河本 ずーっと上がり続けてますよね。雇用保険はまだ緩いですけど、社会保険はこの3~40年で3倍くらい。
脇 上がってます!?そうなんですよね…。ずっと年末調整をやってた時は気付かなかったんですけど、確定申告をする様になって、そしたら直接自分が数字で見るようになったので、どんどん上がっていってる!と思って(笑)
河本 これが100年時代と繋がってくるんですよ。
脇 100年時代?
河本 はい。数年前から“人生100年時代”って言われてるじゃないですか?
脇 言われてますね。
河本 まぁ、死ぬまで働けっていう事なので。
脇 あははは(笑)
河本 これだけ高い保険料を恐らく我々世代より下は、75~80歳まで払わないといけないんですよ。
脇 うわぁ…。
河本 ほとんど手残りないですよ。
脇 そうですよね…。
河本 そこまでいくと、今度健康じゃないと働けないじゃないですか?
脇 はい。
河本 でも、予防の教育受けてないですよね?
脇 予防の教育受けてないです。
河本 自分で勉強するしかないんですけど。その空気もないですよね? じゃあ、病気になったらどうする?っていう(笑)
脇 病気にならない様に、結構海外の方とかでは、色々と教育というか気を付けてるところとかあるんですかね?
河本 ありますね。ありますねっていうか、教育の細かいところまでは知らないですけど、すごくお金の掛かる治療は、イギリスなんかは年数の上限を設けてますもんね。
脇 あっ、そうなんですか!?
河本 糖尿病じゃなかったかな…何だったかな。
脇 それ以上はもうやらないっていう事ですもんね?
河本 最大7年までしか受けれません。あとは自費ですみたいな。
脇 あぁ~…。
河本 そりゃ、財源に限界があるんだから、そうせざるを得ないというシビアな決定ですけど。
脇 まぁ、そうですね。
河本 そこを無尽蔵にやっちゃうとね。いくらお金があっても足りない訳ですから。
脇 そうならない様に、そういう教育を子供の頃からしたりしてるんじゃないですか?
河本 そういう意思決定があって、それが嫌だからやっと予防という風に回る感じなんだと思うんですよ。でも、その意思決定がないので予防の方に全く回らないって事じゃないかなと思いますね。
脇 へぇ~。
河本 だから、表向きの“賃上げ”っていうワードですけど、裏側から見たら一人一人の人生、今まで失われた30年と言われてたツケを、何十年にも渡って払い続けさせられるんだろうなっていう。それが、子供の世代にまで続くんだろうなっていう風に覚悟しておかないとショックが大き過ぎると思いますね。
脇 そっかぁ…。賃上げって聞いてワーイ♪じゃなくて、ワーイ♪ってなって一旦何か入ってくるけど、きっと、そこからまた抜かれる金額が地味に増えていってる事になりますよね。
河本 僕が社労士の試験勉強をしてた12~13年前ですか。健康保険料の上限は10%だったんですよ。それが法改正で12%まで保険料が上げれる事になったんですよ。
脇 そういうのもね、何か地味に変わってるでしょ!(笑)
河本 そう。地味にサラッとね(笑)今、ちょっと定かな情報じゃないですけど確か13%だと思うんです。
脇 そうなんですか…。
河本 だから、何年も掛けて仕込んでるんですよね。改革っていう良い方に向くんじゃなくて吸い取る事ばっかりやってるので。
脇 うーん。何かね、これいつも思うんですけど。例えば、消費税が3%から5%になるとかって結構話題になるじゃないですか?
河本 なりますね。
脇 なのに、そういう風に社会保険料がそれこそ3%上がるとかって、全然話題にならないじゃないですか?あれは何なんですか!(笑)
河本 やっぱり、先程おっしゃってた年末調整が原因じゃないかなと思いますよ。
脇 あぁ~。
河本 言ったら、その控除の手続きって全部会社がやるでしょ?
脇 やります。
河本 まぁ、人事とか社労士はその専門なんですけど(笑)
脇 やってもらって楽だな~とは思ってました。
河本 楽だけど知識が全く身に付かないんですよ。
脇 あー。確かに。
河本 何にお金を払ってこの国が動いてるかを全く意識しないので。要するに何に税金を使われてても何とも思わないんですよね。
脇 そうでした。
河本 これを確定申告でやると「こんなに毎年払ってるの!?ちょっと待って!」ってなるので。「何でこんなに払ってるのにこんなに景気悪いの?」っていう話になるんです。「ちょっと待って!」って言って、近くの議員とか捕まえて「どうなってんの!?」っていう。これがないので。
脇 年末調整だとね…。
河本 年末調整なんか逆にちょっと返ってくるから嬉しいじゃないですか?(笑)
脇 そうなんですよ~(笑)ラッキーって思ってましたもん!
河本 あれはちょっと多めに引いてるだけなのでね(笑)
脇 そうなんですよね(笑)
河本 だから、実際先進国では年末調整なんて行ってるの日本だけですから。
脇 へぇ~。
河本 まぁ、あまり良い制度では…楽かもしれないですけどね。
脇 楽ですけど、からくりが分からないです。
河本 分からないと思いますね。とはいえ、問題は分かっていても、それを個人の力ではどうしようもないので。自分で勉強して自社でちゃんと落とし込んで、正しい情報を基に正しい思考ができて、ちゃんと自分で考えれる人間をちゃんと作っていかないと、本人達の未来が可哀想なので。僕はそこに結構特化してやっていってるっていう感じですね。
脇 なるほど~。
河本 全体的にはもう変えられないですもん。個人の力では。
脇 そうですよね~…。でも、国内の企業がちゃんと儲かる様な仕組みができれば、正当な賃上げ要請、正当に賃上げされるっていう事になりますよね。
河本 いや、まぁ、政府ができる事は最低賃金を上げる事ですよ。
脇 うーん。
河本 それはできます!
脇 それはできる?
河本 はい。っていうか権限ありますし。それが普通な経済政策じゃないですか?でも、今度それをすると、中小企業の団体とか、そういったところから反対の声が上がっちゃうとか、何かをしたらどこかから反対が挙がるのはもう常じゃないですか?
脇 そうですね。
河本 でも、何かの決断をしないといけないんですけど、その決断の指針となるビジョンがこの国にはない訳じゃないですか?だから、決断できないですよね。ビジョンがないので。そのビジョンを打ち出そうとする出る杭を打つ人を叩いちゃうので(笑)
脇 あぁ~…(笑)
河本 悲しいですね。
脇 でも、本当に個人個人税金の事もそうですけど、お金の流れとかも意識していかないといけないですよね。働いてる人間は。
河本 そう思いますね。
脇 そうですよね。はい。ありがとうございます。マインズのわくわくキャリア相談室、本日はこの辺りでお別れです。河本さん、ありがとうございました!
河本 はい。ありがとうございました。