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【第168回】地方強みを活かした“ならでは”のビジネスを 2022.4.28放送分

ブログマインズのわくわくキャリア相談室

こちらのブログではFM GENKI(エフエムゲンキ)にて放送中のラジオ番組、【マインズのわくわくキャリア相談室】のトーク内容をご覧いただけます。

■放送日時  第2・4木曜日 9:29~9:49
■提  供  株式会社マインズ

 

メインスピーカー

株式会社マインズ  代表取締役 会長 河本 尚吾

MC

FM GENKI  パーソナリティー 津雲 あおい さん 

 

姫路ならではの強みを活かしせる新規事業へ!

津雲 河本さん。私、この春はすご~く“アサリのボンゴレ”とか“ペペロンチーノ”とか、たくさんいただきました!

河本 はい。

津雲 前回だったか、前々回でしたか? 河本さんがアサリのお仕事を始められたというのを聞いて、食べる度に「あー、これはもしかして、河本さんのアサリかなぁ」と思いながらいただいておりました。

河本 あー、そうですか。でも、スーパーにはまだ出回ってないんです(笑)

津雲 あぁ~、そうなんですね!(笑) だから、今日は河本さんのアサリについて、ちょっと深く掘り下げようかと思っておりますがよろしいですか?

河本 はい。ありがとうございます。

津雲 そもそも、ちょっとこの前もお聞きしたかも知れないんですけど、河本さんがそのマインズさんのお仕事以外、本業以外をしようって思ったのっていつ頃何でなんですか?

河本 他をずっと探してたのが、2016年、2017年位からじゃないですかね。

津雲 結構前なんですね。

河本 はい。やっぱり、都市部のビジネスモデルなので、やっぱり都市部の方が強いんですよね。地方で我々が、地方企業として生き残っていきたいのって、どっちかって言うとこっちの都合じゃないですか?

津雲 あ~…、はいはい。

河本 別に、そこのニーズじゃなくて、こっちの都合なんですよね。

津雲 その会社側としての?

河本 そう。我々の都合であって、お客さんはもしかしたら、我々のサービスじゃなくて、大手のサービスの方が、使い勝手が良くなる時代がくるかも知れない訳じゃないですか?

津雲 かも知れないですね。

河本 IT化で限界費用がどんどん減っていって、資本力が強い方がこの部分については良いねと。じゃぁ、我々のメリットは、キメ細かくフットワーク軽くって言っても、それもいつまで通用するかは分からないし。それに、キメ細かく動けば動く程、動いてもIT化には負けちゃうと言うか、その値段に合わせると、人件費が上げられなくなるじゃないですか?

津雲 あー。競争する為に?

河本 そう。利益が上がらないと、給料も上げられないじゃないですか? どこかでどん詰まりになる前に、何とか打開したいなーっていうのがあって。かと言って、今からIT会社になれるんですか? って言ったらそれは無理ですし。まぁ、地方らしい地方ビジネスって何だろう? っていうところがスタートでしたね。

津雲 あー、その業界で戦うのではなく、地方の会社ならではの何か強みを活かして?

河本 そこに存在してる価値が、ちゃんとあるのかどうかっていうところがキッカケと言うか、出発点で。いろいろ見ていく中で、水産業というところに出会ったと言うか、行き着いたと言うか。

津雲 じゃぁ、最初から水産業をしようと思っていた訳ではなく?

河本 まぁ、最初はそうですね。アンテナに引っ掛からなかったですね。

津雲 その水産業にしようって思ったのは何年位前なんですか?

河本 3年位前じゃないですか。

津雲 3年位前。ほいっ! てやろうと思って入れる業界ではないんですよね?

河本 ないですね。一番最初は失敗しましたし。

津雲 あ、そうなんですね。

河本 別の養殖で。陸上養殖の方にチャレンジして、そっちではちょっと失敗して。まだまだコストも高すぎるし、確立できていないし、時間がかかるけど、それ以上にお金も掛かるので無理だなと。何とか海を使えないかな? っていうことで、いろいろ紹介していただいたりしてる中で、室津の方とご縁があって。そこでやられていたのが、アサリだったので。興味を持っていろいろ聞くと、「これはいいな!」「是非うちでもやってみたいな!」と、いうところからのスタートですね。

津雲 なるほど。先程、陸上養殖って言葉がありましたけども。つまりは、海ではなくて陸上に水槽みたいなのを作って、とかそういう感じですか?

河本 そうです。今、農業とかも、工場的な農業って水耕栽培だったかな? 工場で野菜を縦の構造でズラッと陳列していて、どんどん下に水が落ちていってっていう管理ができる、工場型の農業っていうのが結構普及してきたんですけど。

津雲 合理的ですね!

河本 それと同じで、工場タイプの養殖ですね。一応、完全に管理できるっていう状態を作ろうとしたんですけど。海の生き物はまだまだ難しいところが多くてですね…(笑)

津雲 謎がたくさんあるんですね(笑)

河本 そう…。それで断念したと。

津雲 そして、陸上ではなく海の方で、それでも養殖なんですね。

河本 そうですね。漁師って言っても、魚は減ってきてる訳ですし、世界的にも天然の物よりも養殖の物の消費の方が、生産が上回ってるんですね。2010年位だったかな? 逆転してるんですよね。

津雲 自然にある物というよりは、元から育てていくっていうことなんですね。

河本 そうです。

津雲 アサリってどうやって育てていくんですか?

河本 僕らがやっている工法は、海の沖、水深で言ったら8mから10m位のところまで出て、延べ縄ロープを張って。言葉だけで伝わるかどうかはアレですけど…。ロープを張って、そこから紐を垂らすんですよ。その垂らした紐に箱が釣ってあるんです。その中に砂が入ってて、その中にアサリがいるっていう。

津雲 えー!! あの、どうしてもアサリって言うと、潮干狩りなイメージがありまして、遠浅なところで凄い砂浜に埋められていて、掘り堀りすると出てくるっていうイメージがあるので…。10mのところに砂浜を作っちゃうみたいな?

河本 箱の中に砂浜を。

津雲 箱の中に砂浜がある?

河本 水中に浮いてる状態ですよね。それが一つのロープに100箱やったかな? 釣ってあってみたいな。

津雲 へぇ~! そんな工法があるんですね!

河本 あるんです! 恐らく、その室津の方に教えて貰ったのが、僕が聞いてる限りでは、その方とうちだけじゃないかなと思いますね。

津雲 へぇ~! じゃぁ、結構、先進的な?(笑)

河本 そうです!

津雲 うわぁ~。

河本 その分、砂浜に置いておく方が、管理は楽なんですけど。全国的に姫路もそうですけど、元々アサリの産地だったんですよね。昔、何十年も前は。

津雲 この辺りが?

河本 はい。ただ、日本全国で地域差はありますけど、天然のアサリがどんどん獲れなくなって、今じゃもうほぼ獲れないんですよ。

津雲 獲りすぎちゃったんですかね?

河本 いやぁ~、海が変わったから。その砂が変わったから。

津雲 環境?

河本 複合的な要因で、「これです!」ていう明確な要因がないんですけど。何せ、天然物は獲れないと。なので、今後もそれがいきなり獲れるようになることはないので養殖を。

津雲 はい。

河本 あと、僕もこの事業をやる前は、天然物の方が、魚もそうですけど良いと思い込んでいたんですけど。ある大学の先生が「よく考えてください」と。

津雲 よく考えてください?(笑)

河本 「野生の牛食べますか?」って言われて。 

津雲 あははは(笑)

河本 「野生のニワトリ食べますか?」って言われて。

津雲 そうですね~。食べないですねぇ(笑) そんな勇気はないですね。

河本 「管理されてるでしょ?」と。水産以外は。

津雲 はい。おっしゃる通りですね。

河本 ホントだと(笑) ちゃんと管理できるようにしていこうと。

津雲 はい。じゃぁ、その水深10m位のところの疑似砂浜で、育っているアサリちゃんは、どう違うんですか?

河本 あのー。これは大学の先生の研究とかでも明らかになってるんですけど。普通の砂浜の天然のアサリは、潮が引いてる時は当たり前ですけど、エサは食べられないじゃないですか?

津雲 あー。そこにずっと満ちてこないかなーって、待ってるだけの状態ですね?

河本 そうそうそう。でも、うちの養殖のアサリは、ずっと海に浸かっているので、ずっと餌、プランクトンを食べられる訳なんです。

津雲 ありゃま~!

河本 なので、自然界では、あり得ない肥満量になると。

津雲 肥満なんですね(笑)

河本 身がパンパンなんですよ(笑)

津雲 あははは(笑) これは美味しそうですね!

河本 パンパンですもん! やっと今年、白浜の港のところで直売をやってるんですけど。

津雲 おっしゃっていましたね!

河本 やっと提供することができるようになったんですけど。リピートの方が凄い多くて。

津雲 そんな身がパンパンなんですもんね!

河本 「こんな身が入ってるの食べたことない!」って言っていただいて。

津雲 はい。

河本 ディレクターは、まだ買いにきてくれてないんですけども…。

津雲 あははは(笑)

河本 たくさんの方が買いに来てくれたんですけど。だから、まぁ来年ラジオ放送できるのかどうかまだ分からないんですけど。

津雲 あははは(笑) あんなこと言われてますけどね。

河本 何か冷たいなぁ…、って思いながら。

津雲 「買いに行きます!」って、言ってたような気がしますね。

河本 次の日曜日が最後なので、お待ちしてますけども。

津雲 あははは(笑) もうそろそろアサリのシーズンが終わりという感じですもんねー。

河本 はい。終わりなんです。

 

価値のある商品を全国へ提供できるように

津雲 このアサリは、それだけ身がパンパンということは、何が? 酒蒸しが美味しいですかね?

河本 まぁ大きい物だったら、酒蒸しとかバター醤油でやったりとか。それこそボンゴレとか?

津雲 うわぁ~、ちょっと贅沢ですね!(笑)

河本 今、日本に流通してないので。食用をちゃんとしているアサリっていうのは、あまりないので。それだけ価値がある物を作ることができたなとは思っています。

津雲 素晴らしいですね~。

河本 まぁ、いろいろとありましたけどね。

津雲 あの~、いろいろとあった、というお話をお聞きしていると、きっと時間が足りなくなるのかなーという気がするので、ちょっとお察しいたします…。

河本 そうですね。

津雲 まぁ、そんな今、とりあえず一つの成果を生むことができたというところだとは、思うんですけれども。今後の展開ってどんなことを考えていらっしゃるんですか?

河本 やっぱり、国産のアサリを全国のお客様に提供していきたいなと。要するに、姫路の名物にしていきたいなっていう感じですかね。

津雲 “姫路の名物!アサリ!”何かもう一つ欲しいな…(笑) “姫路名物マインズあさり” 流された…(笑)

河本 “シェフが育てた白浜のあさり”っていう感じですかね。

津雲 あー!“シェフが育てた白浜のあさり”。あぁ~良いですね!

河本 弟がシェフなので。

津雲 そうなんですねー!

河本 そうですそうです。レシピなんかも当然書けますし。

津雲 じゃぁ、そのアサリにレシピ付きで、身がパンパンに詰まったそのアサリを売ってらっしゃると。

河本 そうです!

津雲 良くできたお話ですね~!

河本 何とかかんとか、っていう感じです。アサリはね、今年は産地偽装があったので。

津雲 あー。いろいろなことがありました。

河本 でも、長い目で見れば、良くなるんじゃないかなと思っています。

津雲 そういう問題があったからこそ、改善されていって、業界全体が良くなっていく?

河本 畜養してることに、ちゃんと価値もつきますし。

津雲 すみません。“畜養”という言葉の説明をお願いします!

河本 例えば、中国でもいいんですけど、他の国から買ってきた赤ちゃんのアサリを、白浜の海で大きくなるまで育てるっていう。

津雲 それを畜養って言うんですね!?

河本 そうです。畜産とかの「蓄」ですね。

津雲 あっ、なるほど! 分かりました。

河本 我々も今のは、中国産を白浜で畜養してますと。本当は国産も出したかったんですけど、去年の台風で、ちょっと国産は全部流れちゃったんで(笑)

津雲 あー。

河本 今、国産のアサリは、ザックリ2年掛かるんですよ。

津雲 大きくなるまでに?

河本 出せるまでに。

津雲 へぇ~。

河本 なので、今使ってるのは来年用なんですよ。

津雲 なるほど!

河本 来年はしっかり、完全国産でお届けできると。

津雲 来年の為に今ね、ずっと24時間海に浸かって。

河本 ムシャムシャ食べてます。プランクトンを。 

津雲 あははは(笑) プランクトンをね。いやぁ~大きく育ちますように!

河本 そうですね! 本当に大きいですし、国産は夏を越せるので。

津雲 え!? 大体、アサリって春ですよね?

河本 外国産とかのものは、もう直売も終わりっていうのは、やっぱり死んじゃうんですよ。

津雲 へぇ~。それが夏を越せちゃう? 良いじゃないですか!

河本 そうなんです。だから、2年かけれるっていう。大きくできるっていう。

津雲 あっ! なるほど! そういうことなんですね! だから、そうじゃなければ、1年越せないので小さくてもそれが精一杯?

河本 そうです。

津雲 それが2年大きくする、それも24時間餌を食べ続けて? なるほどー!

河本 本当良くできてるんですよ(笑)

津雲 今後の展開が、非常に楽しみになって参りました! 今日はアサリの話をたっぷりとお伺いして参りました。
マインズのわくわくキャリア相談室、本日はこの辺りでお別れです。次回は5月12日の放送です。河本さん、ありがとうございました。

河本 はい。ありがとうございました。