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【第141回】「70歳まで働く」時代へ。今後の生き方を考えよう。 2021.3.11放送分

ブログマインズのわくわくキャリア相談室

こちらのブログではFM GENKI(エフエムゲンキ)にて放送中のラジオ番組、【マインズのわくわくキャリア相談室】のトーク内容をご覧いただけます。

■放送日時  第2・4木曜日 9:29~9:49
■提  供  株式会社マインズ

メインスピーカー

株式会社マインズ  代表取締役
河本 尚吾

MC

FM GENKI  パーソナリティー
津雲 あおい さん 

 

「70歳までの就労機会の確保」が企業の努力義務に

津雲 さて、河本さん。今、3月なんですけれども、来月から新しい法律が施行されるって聞いたんですけど、どんなものなんでしょう?

河本 そうですね。あの~、凄くザックリ言うと…。

津雲 ザックリ!?(笑)

河本 はい(笑) 今まででは、「65歳までの雇用」っていうのが会社で義務付けられてたんですけど、これが70歳になると。

津雲 65歳が、70歳!?

河本 そうです、努力義務ですけどね。

津雲 あっ「できるだけ70歳まで雇用してね~」と?

河本 「できるように努めてくださいね」っていうのが、この4月からスタートするっていうことになってます。

津雲 はい。まぁ、この「5年間」っていう数字なんですけど。言ってしまえば5年なんですけど、でもこれ結構大きくないですか?

河本 いや~、それは無茶苦茶大きいです(笑)

津雲 はい(笑)

河本 どこからいったら良いか分からないくらい、理論破綻してる話なので。

津雲 えっ、理論は破綻しちゃってるんですか!?

河本 完全に破綻しちゃってますね。

津雲 うわぉ…。

河本 えっと~、…どこからいきましょうね?(笑)

津雲 どこから!?(笑)歴史を遡る感じですか?

河本 うーん。ただ、言えるのは、早かったら1~2年で、遅くても2~3年くらいで「義務」になると思います。

津雲 おっ!!先程“努力義務”っておっしゃってましたよね?「できるだけこうして欲しい」「こう努めてね」っていうのが努力義務?

河本 うん、努力義務。

津雲 それが、義務になる?

河本 遅くても、2025年にはなるんじゃないですかね?

津雲 と言うのが、河本予想でございます(笑)

河本 あははは(笑)河本予想(笑)

津雲 はい(笑)

河本 河本予想で言うと、年金も遅らせたいので。

津雲 あー。

河本 努力義務だけじゃ、年金を遅らせられきれないんじゃないかな?っていう。となると、義務にしないと年金の支給開始、受給開始年齢を後ろにできないので。

津雲 そりゃそうですよね。入るものがなかったら、生活していけないわけですから。年金もしくは会社とか企業とかから、お金を貰わないといけないということで。できるだけ長く働いて、年金を受け取るのを遅くしたいと。

河本 そうです。もう、少子高齢化っていうのは、誰もが知ってることで。

津雲 そうですね。

河本 去年かな?一昨年かな?「老後2000万不足問題」みたいなのがあって。

津雲 はい!ありました(笑)

河本 結構、炎上したような。

津雲 そうですね。思わず通帳見てしまいましたもん(笑)

河本 あれでちょっと年金の仕組みを知った人、多いと思うんですけど。

津雲 あっ、そうかも知れないですね。

河本 言ったら今、年金保険料を納めてる人達がいるから、今の年金が払えてると。ザックリ言うとそうなんですけど。

津雲 はい。自分が貯めてるから、貰えるわけじゃないんですよね。

河本 払う人減るのに、貰う人増えるわけじゃないですか?

津雲 おかしな話ですよね。

河本 (制度が)もつわけがないと。なので、もうMAXまで払う率は上げてるんですね。

津雲 はい…。

河本 分かるかな…?

津雲 えっと、貰える額が…?

河本 貰える額じゃなくて、年金保険料を払う額がMAXまでいってるんですよ。パーセンテージが。

津雲 あー。払える量がね。

河本 法律の上限までいってるんですよ。

津雲 はい。

河本 これを更に上げるっていうのは、現役世代を更に苦しめるだけなので。

津雲 もう生活できないですよね、現役から。

河本 そうそう。じゃぁ、それでも抑えていこうと思うと、支払うのを遅らせていくしかないんですよね。維持しようと思うと。

津雲 あー、なるほど。

河本 だから遅らせたいんですけど、当然貰う人は嫌ですもんね。

津雲 そうですね(笑)

河本 だから政治なんでしょうけど。

津雲 あー。何とか誤魔化し続けてるという。言葉は悪いですけど、そんな感じ?

河本 まぁ、もっと早くやってたら良かったんじゃない?って思いますけど(笑)

津雲 うーん。

河本 どっちにしても、もう待ったなしになってるので、それとこの雇用のところとセットでやろうとはしてる。まぁ、ずっと議論はあった話なんですけど。

津雲 はい。

河本 っていうことになってくると、日本は雇用の流動性、いわゆる転職とか「衰退産業から成長産業へ」みたいに言うじゃないですか?

津雲 はい(笑)

河本 全く上手いこといかないと。それは流動性が低いからだとか、いろんな理由があるんですけど。まぁ、こうやって法律で「長く雇いなさい」となると、企業は逆に「もう無理」ってなって。新卒採用をもっともっと減らしたりとか、「10年くらいのスパンで考えてくださいね」って最初から言うとか、どんどん長期で。長期っていうのを、どのスパンで言うかにもよりますけど。

津雲 はい。

河本 要するに「一生雇い続けますよ」なんて言うところは、どんどん無くなってくるだろうなっていう。

津雲 うわぁ…。

河本 分からないですよ。50年とか、分からないじゃないですか?

津雲 そうですね。昔だったら、本当に一回就職したら、それこそ「定年退職するまではずっとお世話になる」っていうのが普通だったのが、普通じゃなくなるっていうことですね。

河本 そうです。変化っていうのが、ITの影響で早いですよね。

津雲 あー。回転が。

河本 技術の変化とか、さまざまな変化・進化が早いので、ただでさえ変化に対応しないといけないのに。それが早いと、50年後どころか、10年後どうなってるか分からないのに、じゃぁ「どんな人材に50年間したらいいのか?」って、そんなの分かる人は一人もいないと思いますし。なので、いわゆる「職能給」。就職じゃなくて「就社」して、会社の中の人事異動でいろんなところを経験して、定年まで貢献するという様なやり方は、ジョブ型の反対なので。その会社以外で通用するものが、ほとんど無くなっちゃう状態になるわけじゃないですか?

津雲 そうですよね。あー。

河本 じゃなくて、職業として結構習熟していくと、年齢とか性別とかあまり関係ないので。

津雲 うんうん。

河本 そのパフォーマンスに応じた給料は、何歳になったって貰えるわけですから。そのパフォーマンスと、仕事と職業と給料っていうのが、全く切り離されてるのが日本の雇用体系なので。

津雲 それはそれ、これはこれ、みたいな感じですよね?

河本 まぁ、そうです。そもそも異動なんてないですしね。

津雲 はい(笑)

河本 だから、本格的にこの職能給制度。この間どこだったかな…川重だったかな?完全ジョブ型移行みたいなのが、ニュースに出てましたけど、そうしないと雇用管理できないですよね。双方、会社も従業員も不幸になっちゃうので。

津雲 はい。

河本 っていうふうにしていくと、新卒を採用して、教育して、長く勤めてもらうモデルっていうのは、そんなに必要がなくなってくるわけですよ。

津雲 そっかぁ…。会社がこれからどんどん変わらなくてはいけなくなってしまうので、働く我々もその辺りを「変わっていくもの」だっていうことを理解して、働き方とか考え方とかっていうのを、変えていかないといけないということもありますよね?

河本 まぁ、そうですね。働く側で言うと、前も話したかも知れないですけど「お給料だけで一生やっていく」っていうのは、なかなか無理があると。

津雲 今でさえ「ちょっと無理かも?」っていう辺りが多くなってきてますけれども。今後、ますますそれが?

河本 うん。だから、働いてお給料も稼ぐけれども、自分で投資の勉強をしたりして、そっちの金融資産を持つとか。ボランティアでもいいから行って、経験値積んで、レア人材を目指すとか。いろんなことを挑戦していかないと、なかなか年齢を重ねた時に、それが資産になっていかないので。

津雲 う~ん…。

河本 ただただ労働してるだけだと、やっぱり年齢が経つごとに“自分の価値”って下がるだけですか?っていう話に、なっちゃうじゃないですか?それは悲しいので。

津雲 そうですね…、悲しいです…。

河本 ちゃんと時間が経てば経つほど、自分の価値が上がった方が良いと思うので。何かそういう風な世の中に、逆になればいいなーとは思いますけども。

 

「100年時代」を生き抜くための人生設計を!

津雲 どうしても、就職したら「やれやれ安心だ」って思って、あとは会社のレールに乗っていけば安心だし、って思ってしまいがちなんですけど、これからはそうはいかないよと?

河本 そうそう。それに、新卒に影響が出て、やっと教育が変わる。要するに、学生の意識が変わるので。

津雲 はい。

河本 就職する為に大学いくわけじゃないですか?

津雲 まぁまぁ、そうなってしまいがちですね。

河本 でも「大学行ったからって、就職できないんでしょ?」って、なって。「じゃぁ、何で大学行くの?何で勉強するの?」ってなって、やっと教育が変わるまでに、多分5~10年くらい掛かるのかなぁ?と(笑)

津雲 10年…。

河本 だからその間の学生とか、新卒の人達っていうのは、その狭間にいることになるのかな?っていうのがあるので、なるべく自分で気付いて、動いていって欲しいなって思いますけどね。

津雲 いつも、その過渡期の受験生であったりとか、就活生であったりっていうのが、こう迷ったり苦しんだりするっていうのが、本当に可哀想だなと思うんですけど。でも、可哀想だなって、高みの見物をしてるような余裕は、実はなかったりするわけですよね?(笑)

河本 そうですね。大手のリストラの年齢って、42~45歳ですからね。

津雲 あー。…他人事じゃないんですね?

河本 そうですね。それを見越して動いてるのかも知れないですし。別に70歳で終わりじゃないので。

津雲 はい。70歳で働くのを辞めるという選択肢と、別に自分なりの稼ぎ方っていうのを、年金を貰いながらでも変える人もいるということですよね?

河本 いや、75歳になる可能性もあるっていう…。単純に、更に(笑)

津雲 そっかぁ~(笑)更に上。…一生働くんですね!

河本 まぁ、理論的に考えると、年金の支給開始年齢は平均寿命でいくと、今の平均寿命は80チョロチョロじゃないですか?

津雲 はい。

河本 まぁ、やっぱり80歳くらいまでに延ばす可能性はありますよね。

津雲 うわぁ…そっかぁ!「あとちょっと」かと思ってたら、そうじゃなかったんですね。

河本 まぁ、もうご存知の方も多いと思いますけど、年金は「長生きはリスク」だという考え方じゃないですか?

津雲 あー、その年金に関して言えば、ちょっと見方が変わってくるんですよね?

河本 そうそうそう。だから、長生きしちゃった時の「保険」なので(笑)

津雲 あははは(笑)

河本 でも、多くの人が長生きするって分かってるわけじゃないですか?

津雲 はい(笑)長生きしちゃうんですね(笑)

河本 そうそう。長生きしなければ、こんなこと考えなくていいんですけど。

津雲 そうですね。ちゃっちゃと綺麗にパッと。

河本 でも、するので(笑)

津雲 そうですね。長生きしちゃうんですよ(笑)

河本 なので、2~3年くらい前からかな?“100年時代”っていうワードが、よくでてたと思うんですけど

津雲 あっ、そうでした!100歳以上生きられる方、結構ざらにいらっしゃるんですよね。

河本 そうそう。100年時代をコンセプトにするのと、人生60年っていう現役時代をコンセプトにするのとでは、設計が全然違いますよね。

津雲 違います!そっかぁ…。

河本 人生も違うと思うし、会社の雇用の仕方も変わって当然なので。

津雲 そうですよね。雇用計画ちゃんと考えないと、振り返れば「あれ?何かバランス悪いぞ」とかって、なってきますよね?

河本 なります、なります。一歩間違えたら硬直的にもなりますし。まぁ、なんせ正解は無いので。

津雲 河本メソッドでも、やっぱりないわけですね。

河本 そもそも、正解はないです。

津雲 うーん。

河本 人生に正解はないじゃないですか?

津雲 またまた~!そうですね!名言です!!

河本 あははは(笑)

津雲 人生に正解はない!(笑)

河本 ○か×かっていう、話ではないので。

津雲 はい(笑)そっか。

河本 それよりも「自分自身がこうありたいから」とかっていう目標とか目的を持って、行動していった方が、余程後悔がなくていいかなって。

津雲 どんな制度になっても、自分自身がちゃんとしてたら、ちゃんと稼げるし、ちゃんと生きていけるっていうことかも知れないですね。 

河本 うん。そうだし、何で見たのかな…?一回、朝礼でも言ったんですけど。あるドクターが難病を抱えていて、車椅子なんですね。

津雲 はい。

河本 家で転倒しちゃって、まぁ、下半身が動かないので、起き上がれないわけですよ。

津雲 大変…はい。

河本 だから、恥ずかしいし情けないけど、友達に電話して「ちょっと助けてくれ」っていうことで来てもらって。当時は惨めな思いされたそうですけど、よくよく考えると「本当の自立っていうのは、自分のことを全部自分でできるっていう意味じゃなくて、依存先を増やすことじゃないか?」っていう。

津雲 あ~、はい。

河本 その「友達がいて、支え合って支えられて、これをたくさん作ることが本当の自立じゃないか?」っていうのがあったので、正にそうだなと思うので。

津雲 いつかはその友達を助けることもあるかも知れないし。

河本 そう、「持ちつ持たれつ」で。

津雲 ということですねー。

マインズのわくわくキャリア相談室、本日はこの辺りでお別れです。次回は3月25日の放送です。河本さん、ありがとうございました

河本 ありがとうございました。

津雲 この番組は、株式会社マインズの提供でお送りしました。