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知っておきたい!派遣労働者の受け入れ期間の制限ルールとは?

ブログ法人企業向け

派遣労働者の受入れには、労働者派遣法で「3年」という期間制限が定められています。

そもそも労働者派遣は、直接雇用された従業員と置き換えなどが生じないよう「臨時的・一時的なもの」という考えの下で行われています。

 

派遣労働者の受入れから、3年を過ぎた翌日のことを「抵触日」と言いますが、この抵触日には2つの考え方があります。

①派遣先企業の「事業所単位」の期間制限

派遣先企業が事業所単位で派遣労働者を受入れできる期間は、原則3年と定められています。

「事業所単位」とは、場所及び人事管理や労働の形態等において、ある程度独立性のある工場、事務所、店舗などを指します。

例えば、2021.2.1に初めてA社のBという店舗が派遣会社Cから派遣労働者を受入れた場合、2024.2.1が事業所単位の「抵触日」となります。

この期間に、派遣スタッフが入れ替わっていても問題はありません。

<条件が整えば延長も可能>

事業所単位の抵触日については、派遣先企業の事業所の過半数労働者組合等(※1)から意見を聞いた上で、3年を限度として期間延長(※2)することができます。

※1 過半数労働組合が存在しない場合は、派遣先の事業所の労働者の過半数を代表する方

※2 延長期間が満了した場合は、再度改めて意見聴取した上で延長可能になる

※意見聴取を行わない場合は、延長できない

 

②派遣労働者の「個人単位」の期間制限

派遣労働者は、同一の組織(いわゆる課)単位で3年を超えて働くことができないという定めがあります。

この「個人単位」の抵触日は「事業所単位」とは異なり、延長することができません。

<期間の定めのない(抵触日のない)派遣労働者も>
一部、例外として「派遣期間の制限」がない派遣契約も定められています。
・派遣元企業と無期雇用契約を締結している場合
・60歳以上の場合
・有期プロジェクトに従事する場合
・派遣先企業の所定労働日数の半数以下で、月に10日以下の業務に就く場合
・産前産後休暇・育児休暇・介護休暇を取得している従業員の代替業務を担当する場合
上記のようなケースでは、「抵触日」が設けられていません。

派遣先企業様からのご相談例

①「事業所抵触日」前には派遣スタッフが辞めて、新しい派遣スタッフを受け入れた。

3年を迎える前に派遣労働者が退職をする場合があります。

その後、新たな派遣労働者を受け入れる場合も、「事業所単位の期間制限ルール」は引き継がれます。

 

②派遣期間中に、派遣スタッフの派遣元企業が変わった。

さまざまな理由で派遣元企業が変更になるときもあります。

派遣元が替わっても、同一組織で働いている場合は個人期間制限ルールが継続されます。

例えば、派遣会社Aから2年派遣されていた場合、個人抵触日まではあと1年となります。

 

③以前働いていた人が、10ヵ月後に改めて派遣労働者として派遣されてきた。

「個人単位の期間制限」と「事業所単位の期間制限」の両方共にクーリング期間が設けられており、派遣労働者の退職日から3ヵ月経つと期間制限のカウントがリセットされます。

そのため、一度退職した派遣労働者が改めて派遣労働者として入社した場合、3ヵ月と1日以上ある場合は、クーリング期間後であると問題はありません。

ただし、以前の雇用形態が直接雇用(正社員や契約社員、パートタイマーなど)は、クーリング期間が1年となっています。

この場合、1年を満たずに派遣契約をすることができません。

 

派遣期間満了後は直接雇用も可能!

「抵触日」を迎える派遣社員に、引き続き就業を続けてほしい場合もあると思います。

その場合は、組織単位の違う事業所で仕事に就いてもらうこともできますし、その派遣労働者が派遣元企業の無期派遣労働者になることで、期間制限ルールは適用されなくなります。

また、三者同意の下ですが、直接雇用する手続きをとることも可能です。

「派遣」を臨時的・一時的なものとしてだけでなく、従業員との出会いの一つの機会として捉えていただくこともできます。

 

労働者派遣法は定期的に改定されるためなかなか理解しづらいことも多いかと思いますが、企業様のニーズに寄り添いながらさまざまな方法をご提案させていただきます。

お電話やWEBツールを使った非対面型の商談にも対応していますので、ぜひお気軽にお問合せください。