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【第128回】働き方改革は、生き方改革!  2020.8.27放送分

ブログマインズのわくわくキャリア相談室

こちらのブログではFM GENKI(エフエムゲンキ)にて放送中のラジオ番組、【マインズのわくわくキャリア相談室】のトーク内容をご覧いただけます。

■放送日時  第2・4木曜日 9:29~9:49
■提  供  株式会社マインズ

メインスピーカー

株式会社マインズ  代表取締役社長
河本 尚吾

MC

FM GENKI  パーソナリティー
津雲 あおい さん 

 

メンバーシップ型雇用からジョブ型雇用へ

津雲 さて、河本さん。この間ニュースでですね、“ジョブ型雇用”という言葉を耳にしたと言うか、目にしたんですね。

河本 はい。

津雲 「KDDIとか日立とか富士通とかが、ジョブ型雇用を始めた」みたいな話を聞いたんですけど。私は、あまりジョブ型雇用という言葉に耳慣れていなくてですね。これは何なんですか?

河本 ジョブ型って言うからには、別の型がある訳じゃないですか?

津雲 そうですね。ジョブ型の反対は何なんですか?

河本 “メンバーシップ型”って言うんですけど。

津雲 メンバーシップ型?

河本 簡単に言うと、メンバーシップ型っていうのが、いわゆる日本の正社員です。

津雲 ほ~、はい。

河本 いわゆる、今までのね。どういう意味かって言うと「勤務地は決まっていません」「仕事内容も決まっていません」って言うか、「勤務地は変わります」「仕事内容も変わります」「お給料も変わります」という働き方をする。その代わり、一生その会社に居ます。

津雲 とにかく、その会社の一員であるっていうことが保証されているのが、メンバーシップ型?

河本 すごく簡単に言うと、そういうことです。それに対して、ジョブ型っていうのは名前の通り、その仕事で雇うっていう感じですね。

津雲 へぇ~。何か格好良いですね!(笑)

河本 そうですね。営業だったら、この「A支店の営業」っていう形。だから、転勤なんかない。もしあるんだったら、あるなしは、最初から基本的には決めておくっていう。

津雲 なるほど、はい。

河本 幹部層の異動はありますけど、一般層ではまず異動なんていうのはないですし、仕事が変わるっていうのもないです。

津雲 「この仕事をする為に、あなたを雇いますよ」ということですね? 

河本 はい。

津雲 じゃあ「その仕事がもし終わってしまったら、あなたはもうこの会社にはいりませんよ」っていうこともあるんですか?

河本 あります。それは普通にあります。

津雲 普通にあるんですね!

河本 まぁ、それは技術革新によってなくなる場合もありますし、プロジェクトみたいな形で終了する場合もありますし。終わったら終わりですね、基本的には。

津雲 自分がどんな仕事をするかっていうのは、最初に分かるんですか?

河本 分かります。もともとヨーロッパとかのジョブ型っていうのは、その仕事に就く為の訓練を受けている人が、その職に就くっていうイメージなんですよね。

津雲 ほほぅ、例えばどんな仕事なんですか?

河本 それこそ、レジ打ちとか。

津雲 あー!はいはいはい。

河本 民間資格でもいいんですけど、レジ打ちの資格を持った人が、レジ打ちの職に就くと。まぁ、非常に分かりやすいですよね。

津雲 分かりやすいですね。

河本 今はもうレジって一昔前になっちゃいますけど、日本の場合は会社によって給料違いますよね?

津雲 そうですね。

河本 同じ正社員がレジ打ちの仕事をしたとしても、会社によって給料は全然違いますけど、ジョブ型の場合は市場がちゃんとあって、どの会社に行ってもジョブ型の場合はお給料は一緒なんですよ。

津雲 へぇ~!

河本 まぁ、全く一緒ではないですよ。上限、下減はありますけど。

津雲 大体の相場が決まっている?

河本 はい。日本の場合は“就社”っていう感じなのでね。

津雲 就社?就職ではなくって、就社なんですね。今までの。

河本 はい。じゃなく、本当の意味での就職ですよね。

津雲 あぁ、その職に就く。なるほど、何か分かってきました!

河本 だから、キャリアアップする場合は、自分がその職を、どんどん上級の方にレベルアップしていけばいいんですど。

津雲 でも、それを日本の会社がどんどん取り入れ始めたら、若い人達ってどうやって就職したらいいんですか?

河本 まぁ…、職業訓練校に行った方が早いかも知れないですね。もしかしたら。

津雲 あぁ、なるほど…。

河本 職業訓練校って聞くと、何か古く聞こえますけど。要するに、就こうと思ってる職業の専門学校ですよね。

津雲 あー!でも、そもそも自分がどんな仕事に合うか分からなくて、自分がどんな仕事ができるのか分からない状態の時に、どんな職業訓練校と言うか、職を身に付けるって言うか、技術を身に付けるっていうのは考えるの難しいですよね?

河本 難しいです。何が向いてるかなんて、僕は今でも分からないです(笑)

津雲 分からないですか?経営者に向いてるんじゃないですか?(笑)

河本 それは分からないです(笑)なので、結局、経験が多い方が判断しやすいですよね。

津雲 そうですね。

河本 経験っていうのは、ボランティアの経験もそうだし、部活もそうかも知れないですし、家族の仕事の手伝いもそうかも知れないですし。なんせ、いろんな体験が子供の時から多い方が見つけやすいと思うんですよね。

津雲 “キャリア教育”ってよく言われますけど、そういうことですかね?

河本 まぁ、キッザニアみたいなものを通してとか。あれは低学年と言うか、もう少し小さい子ども向けですけど、そういう環境の中にいることが結構大事かなぁと思うけど。日本の場合は学校の中だけですもんね。

 

80歳まで所得が得られる状態を作る力を!

津雲 一部インターンシップみたいなものはありますけど、私は「それはただ働きさせてるんじゃないの?」って思ってたんですけど(笑)でも、学生にとっては経験になる訳ですもんね。

河本 だから、ジョブ型っていうのは、新卒採用がないんですよ。そもそも。

津雲 あっ!そうなんですね!

河本 そうそう。

津雲 じゃぁ、全部が全部ジョブ型雇用になる訳ではないんですね?

河本 そうです。ヨーロッパもそうですし、アメリカもそうですけど、そのジョブで雇う場合って、経験ある方がスキルあるじゃないですか?

津雲 まぁ、そうですね。

河本 学生が一番スキル無いんですよ。だから、若者の失業率が高いんですよ。でも、日本は逆ですよ。

津雲 そうですね、若い方がいいと。

河本 そうそう。メンバーシップ型で、新卒一括採用して、会社が人を育てるみたいな。

津雲 研修制度があって、一から教える。

河本 まぁ、40年スパンで人を見るっていうイメージですよね。

津雲 はい。大事に大事に育てるつもりで、お金も掛けて。

河本 一社で一生掛けて。まぁ、社員と会社が40年のトレードオフ関係ができてたって感じなんですけど、これからの時代もっと変化が激しいから、その40年っていうスパンは無理だと。

津雲 何か、同じところに40年もいるとかって、考えられないですね。

河本 でも、昔はそれが正しいじゃないですけど、一つの正しいレールとして昭和はあった訳なんですよね。実際、一生面倒見てもらえた訳ですから。

津雲 そうですね。

河本 「じゃなくて」ってなると、働く側も専門性を身につけた方が、そのスキルを上げていくことによって、会社を選ぶことができるので。アメリカとかの場合、もともとのインターンっていうのは、学生がスキルを得る為に無給で働くことをインターンって言うんです。それで、仕事を覚えてから正式採用されるみたいな。

津雲 うんうん。

河本 同じインターンですけど、日本の場合は、新卒の採用活動の場。

津雲 そうですよね。「この子この会社に合いそうかな?」みたいな感じですよね(笑)

河本 同じメンバーインターンでも、ジョブ型の社会と、メンバーシップ型の社会で使われ方がまるで違うっていう。

津雲 なるほど…。でも、この採用される側にとっても、例えば最初にメンバーシップ型で採用されたとしても、そこで仕事と言うかスキルを身に付けて、専門性の高い人材になったら、他の会社でジョブ型で雇用されることもある訳ですよね?

河本 他の会社ではあり得ます。むしろ、メンバーシップ型できてるのは、一部の大企業だけなので。昔からある大企業だけで、ほとんどが実は違うんですよ。

津雲 そうなんですね。

河本 でも、結局、経団連とかは一部の大企業が仕切るじゃないですか?それをスタンダードとしてる報道もあるので。そういうものだっていう思い込みもありますけど、中小企業なんかだったらなかなか難しいですからね。

津雲 そうですね。現実的に考えると、なかなか雇用し続けるのも難しいかも知れませんし。

河本 それに、メンバーシップ型のトレードオフは、もう破綻してるんですよね。

津雲 ほ~(笑)。なるほど。

河本 リストラがあるじゃないですか?いわゆる早期退職で、45歳だったかな?コロナ前の話ですけど。いろんな大手の会社が早期退職募ってるのは「一生面倒見ますよって、嘘じゃないか!」って感じじゃないですか?(笑)

津雲 あははは(笑)そうですね。

河本 だから、もう既にハシゴ外されてるんですよ。無理がきてるんで。

津雲 はい。だから、40年勤め続けるのも無理って感じてますけど。会社としても、40年雇い続けるのが無理かも知れないってことか。

河本 無理です。

津雲 でも、働き方改革って言いますけど、自分でちゃんと考えないと動けないですね。

河本 あの…、ハシゴを外されて困るの自分ですからね。それは嫌だと思うんですよ。

津雲 はい(笑)

河本 だから、今のうちに。働き方より生き方ですよね。

津雲 おっ!はい。

河本 だから、メンバーシップ型の一生って、60歳ですからね。

津雲 はい、60歳で定年。早いですよね。

河本 まぁ、65歳までの再雇用があるとしても、いわゆる60歳までですよ。でも、一方で、100年時代って言ってるってことは、80歳位まで仕事をしないといけない訳じゃないですか?

津雲 ふふふ(笑)働けるかなぁ?

河本 メンバーシップ型は、当然無理ですよ。

津雲 そうですね(笑)なかなかそんな体力がない訳ですよね。だから、おっしゃった様に、働き方改革は生き方の改革であって、キャリア教育の話もあるし、老後どうやって働くかっていう話にも繋がっていくっていうことですね。

河本 うん。健康診断って会社で実施が義務付けられてたりしてやってるのは、病気を見つけてる訳じゃないですからね。

津雲 えっ!何を見つけてるんですか?

河本 働けるかどうかの診断なので。

津雲 あははは(笑)

河本 就労可能かどうかの診断ですから。

津雲 なるほど(笑)そういうことだったんですね!!

河本 そうですそうです。だから、予防医療?60歳までだったらそんなに気を使わなくても、特別なことがない限り、少々不摂生しても動けるじゃないですか?

津雲 まぁ何とかイケそうな気が、はい。

河本 でも、80歳まで体と頭を動かしていこうと考えると、今までの健康管理だと、明らかにダメだと思うんです。

津雲 うん(笑)そうですよね…。

河本 自分の体のメンテナンスの仕方から考えないと、歳をとった時に困るの自分じゃないですか?

津雲 そうですよね。聞くところによると、人間は40年しか生きない様にできているらしいので。

河本 えっ!ホンマですか?僕は120年って聞いたんですけど(笑)

津雲 あははは(笑)それは何とかメンテナンスして、修理をしながら120年ですよ。

河本 まぁ、そうかも知れないですね。

津雲 あははは(笑)

河本 年金とか、僕はこういうの専門ですけど、そりゃ無理ですよ。

津雲 無理なんですかぁ~(笑)

河本 いや、無くなるとかじゃなくて、支給年齢を遅らせないと成り立たないっていうのは、もう間違いないですよ。

津雲 そうですね。75歳とか、それこそ80歳とか。

河本 僕ら世代は、80歳じゃないですか?

津雲 80歳…に、なってやっと貰えるか…。

河本 だから、平均寿命が年金の受給開始年齢にするのが、一番いいらしいですよ。戦後とかの平均寿命って、60歳位だったらしいですからね。

津雲 あぁ。じゃぁ、妥当は妥当だった訳ですね。

河本 今、平均寿命80歳超えてるじゃないですか?

津雲 はい。…そっかぁ。

河本 今後、絶対平均寿命は延びるじゃないですか?

津雲 あー、そうですよね。そっか!「妥当だった」んですね。

河本 破綻する訳ですよ(笑)

津雲 はい(笑)

河本 破綻すると言うか、遅らせる。

津雲 遅らせるのが妥当と言うか、しょうがないと言うか。そりゃそうでしょうねっていう。

河本 その制度をそのままやるのであれば。じゃぁ、空白の20年どうするの?っていう。

津雲 はい。これを働き方改革、生き方改革、老後の就労改革と言うんですかね。シニア就労と言うか。

河本 まぁ、前にお金の話もしましたけど「資産を形成してくださいね」みたいなことを金融庁が言ったら、炎上したと(笑)

津雲 2000万(笑)コツコツ貯めないと…。

河本 80歳で給与所得だけで生活していくって、まぁまぁ無理があるんじゃないかな?って。そもそも。

津雲 ちょっと、難しい気がしてきましたね。

河本 他の所得も作った方がいいんじゃないの?っていう。その為の副業であるべきだと思うんですよね。そういう風に全部繋がってくるので。

津雲 なるほど。だから、こうやって若いうちから、その体のメンテナンスもですし、生活のメンテナンスも考えて、長生きできるようにいろいろ考えていかなければいけないと。

河本 そうそうそう。言い方を変えると、昭和は会社で正社員で雇われて、その仕事をしてるだけで、人生を安泰に送れるだけのお金が貰えたんですよ。社会制度もあったし。っていう違いかなって?

津雲 なるほど。今日は名言を頂きました!『働き方改革は、生き方改革』ということで。
さて、マインズのわくわくキャリア相談室、本日はこの辺りでお別れです。次回は9月10日の放送です。河本さん、ありがとうございました。

河本 ありがとうございました。

津雲 この番組は、株式会社マインズの提供でお送りしました。