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【第105回】“定”がなくなる働き方について考えよう。2019.9.12放送分

ブログマインズのわくわくキャリア相談室

こちらのブログではFM GENKI(ゲンキ)にて放送中のラジオ番組、マインズのわくわくキャリア相談室】のトーク内容をご覧いただけます。

■放送日時  第2・4木曜日 9:29~9:49
■提  供  株式会社マインズ

 

 


メインスピーカー

株式会社マインズ  代表取締役社長
河本 尚吾

 

 

MC

FM GENKI  パーソナリティー
中村 佐織さん 


 

 

 

 


中村
 さて、今日はですね、河本さん。働き方についてのお話なんですが、≪働き方改革関連法≫が少しずつ始まりまして、「来年から本格的に」という事になるんでしょうかね?


河本 そうですね。ひとつの目玉とも言われている≪企業内同一労働・同一賃金法≫が、来年4月から大企業、再来年の4月から中小企業に適用される事になっています。


中村 結構前から、この“同一労働・同一賃金”というワードを耳にしますけれども、まだ実感としては皆さんどういう感じなんだろう?っていう人も多いんじゃないかと。


河本 今やっと、「来年4月からなんだ」っていう事が、知られ出した位じゃないですか。


中村 その位ですか…。


河本 今から半年くらいが大変だと思います。


中村 消費税でも「ホンマかなー?どうかなー?」って言ってるうちに…っていう話ですもんね。


河本 来月からですよ!


中村 いよいよスタートですからね。それで、今日は働き方改革についてのお話なんですが、“定の字がなくなる働き方”っていうキーワードでいきたいと思うんですね。


河本 はい。

 

“定の字がなくなる働き方”とは?

中村 “定”って言うのは、いわゆる“定職”とか・・・「定まる」という字ですよね。“定期採用” “定期昇給” “定年退職”という3つのキーワードを今日は取り上げてみたいんですけれども。この3つの“定”がなくなるのでは?という事なんですが。これってどういう??まぁ、定期ですから、今までは当たり前の様にあったものが、なくなっていくという風に考えていいんでしょうか?


河本 そうですね。この“定”は、全部正社員っていうものに対して、一般的には当てはまるものかなという風に思いますね。


中村 確かにそうですよね。イコール安定っていう事ですよね?


河本 イコール安定という風に受け取られてきた訳です。まぁ、地位の保証と言うか。それがなくなるというのが言われてますね。


中村 今の正社員の方が、これからこういう事を経験していくという事ですか?


河本 そうですね。だから、これがなくなるという事は、「正社員」という考え方がなくなるという感じです。


中村 今までも、ここでも何度かテーマにしてきた、同一労働・同一賃金になっていく事によってそれが始まるという?


河本 そうですね。法律ですからね。ただ、まぁ、別に定年をなくしなさい!とはなってないんですけどね。実質的になくなる様になってくるかなと思ってます。


中村 定年っていうのは義務ではないんですか?


河本 定年って確か“特別な解雇”のはずなんですけどね。


中村 あっ、そういう言い方なんですね。


河本 言わば、唯一の「めでたい離職」っていう事なんで、失業保険は出るんですけどね。ただ、定年っていう概念が、邪魔になって来るのかなという気がしてますね。


中村 それは働き手側として?


河本 会社もそうだし、働く側も危険だと思いますね。


中村 危険?

 

 

変化する採用 ~中途採用・新卒採用~

河本 60歳で定年っていう風な人生設計をしてて、実は80歳まで働かなアカンってなったら困るでしょ?


中村 ですね。


河本 恐らくそうなるので。じゃぁ、その後20年どうするんですか?っていう。年金貰いながらバイトでもするわって。でも、年金が遅れるんですよね。


中村 ってなりますよね。


河本 そうそう。じゃぁ、今のままだと空白期間が出来ちゃうので、国も一生懸命何とかしようとしてるし、企業も何とかしようとしてますけども、働く側も意識を変えないと自分達が困っちゃうっていう。


中村 そうですね。
それで、この3つの“定”っていうのがあるんですけど、まず“定期採用”ですよね。定期採用っていうのは?


河本 まぁ、いわゆる新卒の一括採用みたいな。


中村 これってもう既に“定”がなくなってるんじゃないですか?定期採用。


河本 いやっ、ありますよ!大手は特に。ただ、それを「辞めていこうよう」という。「通年採用にしよう」という様な流れを作ろうとしていますね。要するに、中途採用も新卒採用も分け隔てなくしていくっていう事ですけどね。


中村 新卒も今だったら期間が決まってるじゃないですか?就職活動する期間。そうではなくて、通年、就職活動が出来る様な制度になって行くという事ですか?


河本 まぁ、その会社に入社するルートが、一般的には大学の新卒のみという前提があるんですけど、それを止めますみたいな。これは結構、大学側も、もっと真剣に受け止めないといけない事なんですけどね。


中村 そうですね。


河本 企業が一応出口用意してくれてる訳ですけど。これからはそうじゃなく、学生の新卒でも中途でもそうじゃなくて、会社が必要としてる人材を採りますよっていう話なので。勉強させて優秀な学生にしないと採ってもらえない訳ですから。


中村 ですね。何か間口は広がった様な気はしますが、実際には厳しいかも知れない…。


河本 実際に働く人が転職はしやすくなるでしょうね。でも、学生っていうのは、本人が学業で優秀じゃないと採って貰えなくなる。


中村 新卒というメリットがなくなるんですね。

 

 

「新卒」を採るメリットがなくなる?!

河本 そうです。新卒で入って、一社で60歳、65歳まで定年まで勤めて、退職して、そこから年金を貰う。これをいわゆる正社員って言うんですね。そこまでのライフキャリア、キャリアっていう訳じゃないですけど、そこまでの一生を保証する働き方みたいな、これがなくなるって感じですね。


中村 じゃぁ、今までは、「ずっと会社が面倒を見てくれるわ」って思ってた事が、そうじゃなくなるという事ですか?


河本 そうです。事実、正社員だから仕事が出来るって訳じゃないですし。パートの人とか、派遣の人とか、契約社員とかの方が出来る場合も多々あります。


中村 能力が優先される様になると?


河本 っていう世の中にして行きましょうっていう。だったら、年取っても全然問題ないでしょうと。


中村 ですよね。


河本 という流れなんですけど、いわゆる正社員制度というのが、余りにも概念が強烈すぎてですね。


中村 はい。日本の場合はって事で?


河本 そうですね。それは、概念とか文化とかの戦いになるんじゃないかなと。


中村 文化ですね!ここでまた出てきました!!


河本 「文化」だと思っているので、もっと柔軟に。どうしてもそうなって行くので、「嫌や!!」って言ってもしょうがないんですよ(笑)


中村 この“定期昇給”というのが、先程おっしゃった様に、一旦採用されると、定期的にお給料も上がって行ってっていう(笑)。


河本 そうそうそう(笑)まぁ、1年目やからとか、2年目やからとか、そういうのが主流やったんですけど、これがある一定のところでなくなってる会社も多いですけど。


中村 ええ。


河本 まぁ、それでも、概念は根強く残ってますよね?「お給料何で上がらないんですか!?」って。逆に何で上がるんですか!?


中村 ふふふ(笑)


河本 同じ事をしてたら上がらないでしょう?っていう、もっともな話がこれから必要になって来るっていう。


中村 じゃぁ、のんびりとしてたらダメですね(笑)


河本 そういうのんびりとしてていいよっていう会社に行くべきかなと。


中村 なるほどね。


河本 「うちはゆったりしてますよ~。それでも大丈夫なんです」っていう会社を探して行く方が、合うしストレスは少ないですよね。


中村 うんうんうん。


河本 合わない所に居ない方がいいです。


中村 そうですね。


河本 選べるんですから。


中村 ええ。で、“定年退職”という事になる訳なんですけど、この“定”もなくなるという事ですね?

 

 

「定年」「年金」はどうなる?

河本 はい。定年と年金って絶対セットじゃないですか?じゃないと空白が出来るので。


中村 ええ。じゃぁ、国としては、皆さんが70歳でも幾つになっても働いてくれたら、その方が年金としては有り難くなるっていうことですよね?あまり早くから貰われても・・・っていう話ですもんね。


河本 まぁそうですね。僕も調べたんですけど、平均寿命が、本来の受給開始年齢の設計にしないといけないみたいなんですよ。


中村 えっ!平均寿命が?


河本 年金の「受給開始年齢」という設計らしいです。どの国も。


中村 平均寿命って結構…。


河本 日本めちゃくちゃ長いでしょ(笑)男女平均で84.5歳ですか。戦後は、平均寿命が60歳とか65歳とかだったらしいですね。だから、制度設計した頃は合ってたみたいですよ。


中村 なるほど。そういうことなんだ。


河本 すごく延びたので。それに伴って、制度も本当はアップデートして行ったら良かったんでしょうけど。


中村 そのまま年金の制度だけは残ってしまったんですね。


河本 いや、年金もずっと遅らせては行ってるんですよ。元々、55歳とかだったのを60歳にしたりとか。60歳を時間かけて65歳にして行ってるんですけど、追いつかないみたいな感じですかね。


中村 今の平均寿命で言うと、とてもじゃないけれども…っていう感じですよね。


河本 そうです。さっき言った“働く”とのセットじゃないですか?


中村 はい。


河本 じゃぁ、一体的にどうするかっていう話になってきてしまうんで。年金だけを変えたって、こっちの労働側が何も変わってなかったらダメですし、こっちだけ変わっても年金変わってなかったら意味がないですし。


中村 そうですね。


河本 だから、どういったプラン?ビジョンを掲げてやるのかっていうのが、一応、100年時代ですよと。人生100年時代です!!(笑)

 

中村 あははは(笑)まさにそうですね! 

 

 

 

「人生100年時代」に合った働き方とは?

河本 100年時代に合った働き方、生き方をやって行きましょう!と。だから副業もいいですよと。


中村 でも、今、世の中で色々と言われてるのが、どちらかと言うと、その働き方よりも「年金年金!!どうなるんだー!!」っていうところの方が大きくフィーチャーされてますよね?


河本 うん。その変な煽り?って言うか、もっと全体的にどうなってるんやろうっていう事を、ちゃんと情報を自分で取って、自分で考えるっていうのがこれから大事になってくるんじゃないかなと思いますね。自分の人生ですからね。


中村 そうですよね。この「定が付く」っていうのは、大体イメージしてると大きな企業のイメージって言うんでしょうかね?


河本 はい。


中村 ですがまぁ、そういう人ってごく一部?


河本 ごく一部と言うか、いわゆる大手企業とか。中小企業は、そこの問題とはまた別の問題って言うんですかね。長時間労働とか、有給の事とか、福利厚生の事とか、そもそも人が来ない事とか、問題がまた全然違うんで。一概に語れないですよね。


中村 じゃぁ、同一労働・同一賃金を実現をスムーズにするには?って言うと、ひと言では語れないですね。 


河本 ひと言では語れないですね。ただ、自分自身がしっかりと能力を自分の力で付けて行って、仕事が出来る様になって行くのが一番安心な方法だと思います。企業にぶら下がるんじゃなくて、自分で稼いで行けるっていう。どこの会社に行っても。


中村 自分で稼いでいく…うーん。


河本 という方が安心ですもんね。


中村 確かにそれはそうですよね。


河本 ストレスも少ないですよね。


中村 ですね。これから、もっともっと働きたいと思ってる人にとっては、とても良い働きやすい環境が出来るという事にもなるんでしょうか?


河本 どうでしょう。だから、副業と言いながら、いわゆるダブルワーク。土日だけ別の会社で働くとかっていうところの法整備がまだ出来てないんで、そこが課題ですね。

 

中村 国としてもまだまだこれからという事ですね。

 

河本 そうです。


中村 さて、マインズのわくわくキャリア相談室、本日はこの辺りでお別れです。河本さん、ありがとうございました。


河本 ありがとうございました。


中村 この番組は株式会社マインズの提供でお送りしました。