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こちらのブログではFM GENKI(ゲンキ)にて放送中のラジオ番組、【マインズのわくわくキャリア相談室】のトーク内容をご覧いただけます。
■放送日時 第2・4木曜日 9:29~9:49
■提 供 株式会社マインズ
メインスピーカー
株式会社マインズ 代表取締役社長
河本 尚吾
MC
FM GENKI パーソナリティー
中村 佐織さん
将来の可能性を広げるために
中村 突然ですが、子どものころは将来の夢って何かありました?
河本 小学校の時に「プロのサッカー選手」と書きました。当時プロは無いんですけどね(笑)。よくわかってなかったんで。
中村 「将来の夢」って、子どもの頃に親や先生とかによく聞かれましたよね?
河本 聞かれましたね。「大きくなったら何になりたい?」って。僕も聞いたことありますし。
中村 それで初めて意識をする事でもありますしね。
河本 そうなんです。でも、心理学の本をいろいろと見ていると、子どもに将来の夢を聞いてはダメだと書いてあります。
中村 聞いちゃダメなんですか?
河本 本人の成長を促す意味で聞いているとは思うんですが、大人でもどんな職業があるのかを全部知っている訳ではないですよね。子どもだったらなおさら、社会が小さいのでその中で選ぶのは現実的じゃないですよね。
中村 そうですね。
河本 あと、夢がひとつっていう間違った概念を教えてしまうと言いますか、「それしかダメ」みたいな教え方になってしまうようです。
中村 確かに「将来の夢は?」って聞かれて、幾つも挙げる子ってなかなかいないですよね。一生懸命考えて、ひとつに絞らないといけないって勝手に思い込んで。
河本 「看護師さん」とか「保育士さん」とか「学校の先生」とかを選ぶじゃないですか。でも、最後にほとんどの人がならないので、そもそも意味がないと。
中村 河本さんもサッカー選手になってないですもんね(笑)
河本 なってないです。好きですけど(笑)
中村 ほとんどの人はそうですね。
河本 「夢がひとつ」という間違った概念を教えちゃうって事は、挫折した時に立ち直る方法が間違った概念になってしまう。その概念を変えないと立ち直れないんですけど、「それしかダメ」いう風に思い込んじゃうと、どうしても立ち直りにくい。人生が全否定されたみたいになってしまう。でも、そもそもひとつだっていう方が間違えてるんです。根本的な所の教え方って言うか、考え方がズレてきちゃうのが良くないと。
中村 将来の夢を聞かない方がいいって言うのは、あくまでもその例の一つなんですね。その後も進学とかいろんな選択肢があるので、まだまだ若いうちに狭めてしまわないっていう事でしょうかね。
河本 本当になりたいものがあるっていう人は別ですけど、僕も特に無かったんで。
中村 子どもの時って、目の前の親の職業とか、自分が触れ合う人のお仕事を見て、「いいな」って思うっていうところですからね。
河本 そうそう。僕は大学生でなりたいものは別に無かったですからね。
本当の意味での「学び」とは?
中村 いつ頃から今のお仕事とか、“起業”っていう事を意識されました?
河本 起業を考えたのは、20代後半くらいですかね。
中村 それはキッカケがあって?
河本 どちらかと言うと、危機感の方が強かったですかね。「このままでいいのかな?」と、自分たちがやってるサービスをもうちょっと証明したかったとか、そういうのはあるかも知れないですね。そのやり方は当時の会社のやり方じゃないんじゃないかみたいな。
中村 河本さんみたいに「将来の夢は何ですか?」って聞かれて育ってきたお子さんでも、自分の力でどこかで気付いて、可能性とか選択肢っていうのはいっぱいあるんだっていう事に気付けるチャンスっていうのはいくらでもあるんでしょうね。
河本 行動していれば。あと、それを求められれば必ず出てくると思うんです。アプローチの方法としては「大きくなったら何になりたい?」っていうよりも、「大きくなったらどんな社会問題を解決したいですか?」っていう方が正しいという事みたいですね。
中村 え!それを子供に聞くんですか!?
河本 まぁ、小学生だとちょっと難しいですが、中学生とか高校生とか?
中村 「大人になったらどんな社会問題にアプローチしたい?」と。
河本 高校や大学なりで何を専攻するかっていうところも、そこを中心に考えた方が選び易いですよね。
中村 例えば、どういう答えが出てくるんでしょうね?
河本 ある本では、子どもが「温暖化っていう問題が気になる」と答えていました。では、それを解決する為に何ができるかと考えますよね。温暖化を支援する団体に就職するというのもあるでしょうし、テクノロジーによって二酸化炭素を出さなくて済む技術を開発する技術者になるんでしょうし、動物に影響が出ているんだったら動物を守る保護団体に入るんでしょうし。
中村 “温暖化”っていうテーマで、そこから無数の職業だったり、可能性が広がるという事ですね。
河本 そうです。高校や大学の専攻っていうのも、その為に行くものだと思うんですよ。偏差値教育がだめと言うけど、「じゃぁ代わりは?」って言われても、なかなか思い付かないじゃないですか?だったら、その社会課題をどういう風に解決したいかっていうのアプローチを通して学ぶというのが、理想的なのかなという風に思いますね。僕もそういう教育を受けたかったなって思います。
中村 実際にそういう教育は、日本ではされているんですか?
河本 その本は日本の話ではなく、アメリカの話だったんですけど。日本でも、麹町中学校とか、結構、凄い事をされてますね。
中村 何を、どういう事を!?
河本 「学校の当たり前を無くす」っていう事で、公立中学校ですけど、担任制を止めたり、宿題を止めたり、父兄と一緒に色んな事を取り組んでいたりとか。学生が自立して社会を生きて行ける様にするっていうのを目的として、全て、そこにコミットしていくっていうアプローチなので良いですよね。修学旅行の目的も、自分達が記者になったつもりで、行った旅行先のホットペッパーみたいな地域誌を作るという。だから、取材して行くんですよ。
中村 面白い!!
河本 楽しんで経験できるのが一番なんで、素晴らしいと思いました。それをグループで発表し合うみたいな。
中村 楽しそうですよね!凄く能動的ですよね、受動的じゃなくって。
河本 それが本当に“学ぶ”って事なんだろうなと。
中村 そうなると、発想の原点がガラッと変わって来ますね。
河本 そうです。社会に出たら通用しそうですもんね。そんな学生を企業は欲しいでしょうね、たぶん。色んな課題も本人達も見つけるんでしょうし、その手段としての企業っていうのもあり得るんでしょうね。全てが良い方向に行く気がしますね。今の教育よりも。
中村 何だか、短冊に夢を書くのもどうなんだろう…なんていう風に思っちゃいますね(笑)
河本 それはそういう文化なので(笑)。
能動的に学べる教育を
中村 河本さんが以前からおっしゃっていますが、本当に学校教育自体を大きく変えていかないといけないというところですよね?
河本 そうですね。その本を読んで個人的に思ったのは、その中学校は私学じゃなくて公立なんですよ。義務教育機関なのに、教育格差が今後どんどん出てくるっていう。行く学校によって変わるって事は、良し悪しだと思います。子ども達の教育に対する責任っていうのは、より自主的にならないといけなくなるんじゃないかなっていうように思いますね。
中村 住んでる地域の学校にそのまま進学するだけじゃちょっと…という事になるんですね?
河本 同じ公立中学校でもそこまで環境が違うとね。全てがその中学校みたいになれば理想ですけど、すぐは無理だと思います。
中村 でも、今の教育体制の中で、そういったシステムが可能なんですね?そこは公立ですしね?
河本 公立です。でも、希望はあるなと思いましたけど。
中村 そうなって来ると、「引っ越してまであっちの学校に行きたい」っていう地域の人口の偏りも出るでしょうね。
河本 そこは東京の中学校なんですけど、そういう風な取り組みをしてる学校も増えてきているみたいですけどね。
中村 河本さんも、お子さんを持つ親御さんでいらっしゃいますからね。そういう教育を受けさせたいとかっていうお気持ちもあるんじゃないですか?
河本 言われた事だけやる教育だと、前回の「お金をくれるんだったら勉強するけど、お金をくれないんやったら勉強しない」みたいな、受動的と言うか何と言うか、「やらされ感」になっちゃうんで。教育が自立してないですよね。
中村 でも、これは子どもだけじゃなくて、会社の中でも当てはまりそうですね?
河本 当てはまります。本来は、会社は仕事をしながらそういう事をしていかないといけないんですけど、学生というのは、それ自体に全ての時間を使えるので、本当に大事な時間なんだと思うんですね。
中村 とても幸せな時間ですよね。
河本 はい。小学校・中学校・高校・大学も含めて、その時間は自分に投資してる時間です。そして社会に出て、その投資を発揮して行くっていう事になるんですけど。大学まで合わせたら…16年ですか!
中村 そうですね。
河本 その時間は投資だったのか消費だったのか…(笑)もし、それがそんなに大した教育じゃないんだったら、もう一回社会に出てから教育が始まりますし、しないといけない。これは今度、企業がしないといけないとか。でも、時代変化するから、自分でも勉強はし続けないといけない訳ですけど。まぁ、能動的に考えて動ける、自立してるっていう大前提を持ってないと、なかなかしんどいだろうと思いますね。
中村 はい。さて、マインズのわくわくキャリア相談室、本日はこの辺りでお別れです。次回は8月8日の放送となります。河本さん、ありがとうございました。
河本 ありがとうございました。
中村 この番組は株式会社マインズの提供でお送りしました。
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