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【第77回】上司と部下、良好な関係を築くにはどうしたら?2018.6.28放送

ブログマインズのわくわくキャリア相談室

FM GENKI(ゲンキ)にて放送中のラジオ番組【マインズのわくわくキャリア相談室】のトーク内容をご覧いただけます。

放送日時  第2・4木曜日 9:29~9:49
出 演    株式会社マインズ代表 河本尚吾
聞き手    中村佐織さん(FM GENKIパーソナリティ)
提 供      株式会社マインズ

 

体育会系企業ってどう思います?

中村 さて、今日は、最近、大きな話題と言うか問題となりました、某大学のアメフト部員の無茶なタックル問題からの、選手の会見があって、監督コーチの会見があって、その後大学の対応があってっていう風に、どんどん状況が変わって来ている訳ですけれども。そこからですね、思った事がありまして。

河本
 はい。


中村
 “体育会系”いわゆるこれって、元々の問題としては『体育会系っていうのはこういうもんだ!』っていう。『いや、でもそうじゃないんだ!』みたいな所も問題視されていますよね。


河本
 まぁ、上の命令は絶対みたいな。

中村 それが働く「現場」、「企業」、「会社」に入った時、この“体育会系企業”ってどう思われますか?アリですか?ナシですか?

河本 どうなんでしょう。「好き嫌い」でいいんじゃないですか。「アリかナシ」というよりも、そういうのが好きな人は好きですし、嫌いな人は嫌いですし。

中村
 でも、誰でもあまり厳しくされたくないでしょう。


河本
 例えばアメフトの件は、所々しかあまり見ていないのに意見を言うのもどうかと思いますが…。企業で言うと指示を「したか」、「していなかったか」、なんてどうでも良くて、あの結果が全てであって、その結果に対する責任が監督に無かったら、一体誰にあるの?っていう風に思っちゃうんですけど。


中村
 最終的には、社長・経営者が責任を取って『申し訳ございませんでした』っていうことですもんね。


河本
 そうです。それが結果。「指示に乖離があったから」と許される問題だったら、監督じゃないでしょ。結果「管理監督不足ですね」っていうことになる。会社だったらそうですけどね。


中村
 私が一番びっくりしたのは、体育会系のノリで「上の命令・指示は絶対!」っていう所に付いて行く今時の子もいるんだなっていうのが、ちょっとびっくりしたと言うか…。

割と今までも、この【マインズのわくわくキャリア相談室】の中で取り上げてきましたが、ちょっと怒られたらすぐ辞めちゃうっていう風な…いわゆる「今時」の子?その中で体育会系と言うノリが未だに残っている。「言う事を聞くんだなぁ」って。

河本
 そうですね。スポーツの業界で残っている「悪い方の風習」ですよね。これは、本人達が、それをしたいと思って入って来ている訳なので、そもそも活動する事に対する動機があります。一般的な会社で言うと、そもそもの動機付けがなされていないまま怒ると、『何で怒られるんだろう』ってなります。


中村
 そうですね。


河本
 上の命令は「絶対」ではなく、その代わり「責任」も全部取ってくれる様な立派な上司だったら「 付いて行こう!」となるんでしょう。 だから一概に、「体育会系=全部“善”」とも思わないし、「全部“悪”」とも思わないです。

 

「がむしゃらに頑張れ!」「やる気を出せ!」はナンセンス?

中村 ただ、今の会社にいらっしゃる役職・重役の方とか、経営者層の方は、未だにそういう感覚をお持ちの方もいらっしゃると思うんですね。

河本
 そういう時代もありましたからね。

中村 前回もちょっとお話ししましたが、“昭和”というワードが出ましたけれども、昭和的な感覚って言うんでしょうかねー。『がむしゃらに頑張れ!』とか。

河本
 はい。僕もずっとサッカーをやっていたので普通に罰で走るとかありました。「何の罰なんやろう…」とか思いながら。「やる気がない!」ってね。


中村 
そういうよく分からない理由で。


河本 
よくある話で、「そういう時代だった」って言ったらそうかも知れないですが、よくよく考えるとナンセンスですよね。


中村
 そうですね。今思うからこその「ナンセンス」ですが、当時は「そう言われたらそうなのかなぁ…」「何か分からないけど走ろうかな」っていう。


河本 
結局体育会系にしても何にしても、“やる気”というものが、結構キーワードの中に出てくるのかなって思います。


中村
 やる気!?

河本 仕事だったら『やる気がない』っていうのはよく言うじゃないですか。

中村
 「やる気」…そっか。やる気が無くても結果を出せば良い訳ですよね。極論ですけれども。


河本 
極論そうです。逆に言うと、やる気がないのを本人のせいにしている時点で、上司・先輩失格なんじゃないかなって言う風に僕は思います。やる気を出させるのが仕事でしょ。やる気を無くさせてどうするの?って言う風に思いますけど。

 

「やる気」は引き出せるのか?

中村 「やる気」を引き出させる為にはどうしたらいいのでしょうか?

河本
 様々な工夫が必要でしょうね。スポーツと仕事とは全然違いますけども。スポーツの場合は「やりたい」っていうのがあるでしょうから、「どうやったらなれるか」「どんなテクニックがいるのか」とか、色々教え方とか指導の仕方とかあるんでしょうけども。仕事だと「本人が何を望んでいるのか」、もしくは「何を知っているのか」の知識レベルもありますし、知っている人と知らない人とで会話しても、絶対噛み合わないので、同じテーブルに乗せるだけの知識をまず用意しないといけないでしょうし…。例えば「将来どうなりたい」とか考えた事のない人に、『将来考えてないやないか!』って言ったってね。

中村 そうですよねー

河本 『だからアカン』とか言ったってそんなの乱暴です。 じゃぁ、「どうして考えないとダメなのか」っていう事を説明していないので。

中村
 先輩とか上司の歩み寄りって大切なんですね。


河本
 そうですね。


中村
 上から目線になっているのかな? 多分、従来の会社っていうのは、やっぱり上下関係があって、組織であって、先輩が言えばその通りにするっていう。その先輩・上司も何も考えずにそれを押し付けているっていう事ですよね?

河本 自分がそうだったからあなたもそう!みたいな。それは教えるって事じゃないですもんね。無意識レベルの所だと思いますけど。悪気もないですからね。

中村 それが当たり前と思ってやっている訳ですよね。

河本
 こういうのって悪意がない所に結構問題があったりするので。悪意があるんだったら分かり易いじゃないですか。

中村 そうですね、確かに(笑)

河本
 良かれと思っている場合も結構あるのでなかなか難しいところだと思います。


中村
 そういう無意識の部分も啓発していくことは、会社としての責任。必要な事ですよね?

河本 一部言われてるのは、そういう文化に良い面も当然あるのですが、それよりも自分で考えて行動出来る様になったり、クリエイティブな事をしないといけなかったりとか、アイデアで勝負しないといけない時代に入って来ているのに、「上からの言う事が絶対」っていうのはダメなんじゃないかって言う意見も出だしているので 。ただ、『先輩の言う事は絶対!』って後輩が言うのはいいけど、先輩が言っちゃダメですよね。

中村
 確かにそうですね(笑)


河本
 カッコ悪いですよね。


中村
 正にそうです!カッコ悪いです。

河本 そういうのは、秩序の押し付けの様な気がしないでもないです。

中村
 そうですね。河本さんが『僕は社長だから、社長の言う事を聞きなさい』って言うてる姿は見たくないですからね(笑)自然に見習ったり、先輩に習う、上司に習うっていう姿を見せるという事が必要ですよね。


河本
 そうしたら皆勝手に付いて行くと思うんですけど。


中村
 マインズさんの場合は、そういう所は割と面談とかしっかりとされてるっていうお話をよくお伺いしますよね。


河本
 そうですね。どうしても日本社会の場合は、上司の影響って大きいですよね。部下は上司を選べないとか言いますしね。

 中村 その通りです。

河本
 でも、その体育会系みたいなイメージで言うと、1年経つと先輩になっちゃう訳じゃないですか。自動的に。それって、先輩になる訓練なんかないですもんね。いわゆる上司になる訓練無しに、年齢とか年数で自動的になっていくっていうのは、ちょっと乱暴だなって思いますね。あまりにも画一的過ぎると言うか。無理があるんじゃないかなって言う風に感じます。

 

適切な距離感で友好的なコミュニケーションを

中村 今後仕事のスタイルもどんどん変わっていきますよね?在宅ワークとか。…という風になると、もう個々の責任で、あんまり会社の上下関係みたいなものが意識されにくくなるんじゃないかなと思うんですよね。

河本
 お互いが認め合えれば、適切な距離感で先輩・後輩として、友好的なコミュニケーションになると思うんです。


中村
 距離感?


河本
 適切な距離感です。


中村
 また難しいですね。

河本 それはお互いが健全なコミュニケーションを取ろうと思わないと無理ですけど。 片方が『俺は上司だ!』ってふんぞり返っていたら話にならないですし。

中村 
どちらかと言うと、やっぱり人生経験の長い上の人が、そういう所は組みとって「歩み寄る」って言うんでしょうか、「指導」「導いてあげる」っていうのはとても大切かと思います。


河本
 指導するって凄く難しいですけど。 いわゆる「教える」でしょ?

中村 私はあまり指導する側になった事がないので分からないです。

河本
 「教える」って事は、自分が完璧にその分野において正しい事を知っていないとダメでしょう?


中村
 そうですよね。教えられる側って「楽だな」っていうのは思います。


河本
 間違った事を教えるのは押し付けですもんね。何が正しい指導なのか。僕は「指導」っていう言葉は出来るだけ使わない様にしています。


中村
 どういう言葉で置き換えます?


河本 
『一緒に考えよう』って(笑)

中村 「一緒に考えよう」って物凄く良い言葉ですね。凄くいい!そのくらいの責任を与えて貰えるっていうのは、良い事だなっていう風に思います!一緒に考えましょう、皆さんもね。

河本 完璧じゃないっていうことですよ。

中村
 はい(笑) マインズのわくわくキャリア相談室、本日はこの辺りでお別れです。次回は7月12日の放送です。河本さんありがとうございました。


河本 
ありがとうございました。