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【第145回】“労働”とは?これからはプロセス型から成果型へ。 2021.5.13放送分

ブログマインズのわくわくキャリア相談室

こちらのブログではFM GENKI(エフエムゲンキ)にて放送中のラジオ番組、【マインズのわくわくキャリア相談室】のトーク内容をご覧いただけます。

■放送日時  第2・4木曜日 9:29~9:49
■提  供  株式会社マインズ

メインスピーカー

株式会社マインズ  代表取締役
河本 尚吾

MC

FM GENKI  パーソナリティー
津雲 あおい さん 

 

プロセス重視社会とは?

津雲 さて、河本さん。

河本 はい。

津雲 今日のテーマは、“労働と向き合う”とお聞きしました。これってどういうことでしょう?(笑)

河本 珍しく僕の方から…(笑)

津雲 そうです。珍しくなんですか!?(笑)

河本 そうですね(笑)テーマを言ったんですけど。

津雲 はい(笑)

河本 まぁ、厳密に言うと、“労働と”って言うより“労働という言葉”とそろそろ向き合ってみる時代、時期なんじゃないかなっていうのを思ったのでテーマにさせてもらいました。

津雲 今まで我々は向き合っていなかったんじゃないかっていうことですね?

河本 少なくとも僕はちょっと目を反らしていましたね(笑)

津雲 お!?河本さんが反らしていた?(笑)

河本 ん~。だって、労働っていう言葉好きですか?

津雲 あぁ…あんまり好きじゃないですね。労働って重いですね~。

河本 重いって言うか、何かマイナスなイメージって言うか。

津雲 はい。働かされてる~感がありますね。

河本 そうそう。法律上は“労働者”ってハッキリ書いてあるんですけどね。

津雲 はい。

河本 でも、その言葉と向き合ってなかったんじゃないかなーって。

津雲 うーん。

河本 どういう意味があるかとかじゃなくて、実際に、例えば経済的な話で、生産年齢人口っていうのが少子化でどんどん減っていくと。

津雲 はい。

河本 つまり、労働力が大量に社会からいなくなるというような言い方をよくするじゃないですか?

津雲 そうですね。労働力が少なくなってる。

河本 エコノミストみたいな人が、労働力とかっていう。全体的には“労働力”とか“労働”っていう言葉をよく使うんですけど。個別にそれを使ってるかっていうとあまり使ってないんですよ。

津雲 個別に?まぁ、自分の仕事の中で「労働が」とかはあまりないですね。

河本 まぁ、そこは“作業”に置き換えたりとか。主に作業じゃないですか?

津雲 そうですね。作業…はい。

河本 作業だったら、YouTuberだって編集という作業がある訳じゃないですか?

津雲 あるはずですね~。

河本 その作業っていうものは、必ずいろんな所である訳ですよね?まぁ、作業だけじゃないですけど。じゃぁ、何故、今まで向き合ってこなかったのかな~みたいなのをちょっと考えてたんですけど。

津雲 はい。

河本 どうしても、法律上の仕組みからして控除法なんで。工場のライン作業とか、機械を中心としてそこを補助するような人、もしくは、工業で使われる言葉が語源なので。どうしても、ホワイトカラーには馴染みにくかったんじゃないかなーって。

津雲 なるほど。はい。

河本 なので、例えばライン作業でやる場合に、機械のスピードを無視して勝手に進めちゃダメですよね?

津雲 そうですね(笑)

河本 前後が困りますもんね。

津雲 機械に合わせないと(笑)

河本 うん。そりゃそうなんですよ(笑)でも、ホワイトカラーの人が、自分のペースで仕事を進めちゃダメ?それが早かったら全然問題ないですよね?

津雲 そうですね。早く済まされるのは逆に褒められる事ですもんね。

河本 そうです。でも、それを労働という言葉が邪魔してたんじゃないかなって。深く考えさせるのを。

津雲 はぁ…。なるほど~。

河本 要するに、その言葉の背景と言うか、法律の思想、文化にはどっちかって言うと、成果主義じゃなくてプロセスを重視しますよみたいな背景がどうしてもあるんですよね。

津雲 成果じゃなくてプロセスの方を大事に考えていた?

河本 そう。例えば、一時間だったら、一時間頑張ったかどうか。耐えた?って言ってもいい。どういう言い方をしてもいいんですけど。コツコツした!(笑)

津雲 あははは(笑)そうですね。

河本 どうやってしたかそのプロセスが大事で。結果に関しては関係ありませんと(笑)

津雲 はい(笑)

河本 「結果が出なかったら会社のせいです」みたいな。「会社のせいっと言うか使用人のせいです。従業員のせいではありません」みたいな背景があるんですね。

成果重視社会に向けて、自分のスキルを磨いていこう!

 

河本 有休休暇とか、いわゆるパワハラとかセクハラとか、今結構論外じゃないですか?

津雲 そうですね。

河本 10年前って、結構「有休休暇ないよ」ってザラにあったんですよね。中小企業だったら特に。

津雲 あ~…そうだったかも知れないですね。

河本 パワハラとかは当たり前だったんですよね。ほんの10年ちょっと前ですよ。

津雲 そうですね。ここ暫くで随分変わってきたと言うか、実際は変わってないかも知れないですけど、随分言われるようにはなってきましたよね。

河本 そう。だいぶ変わりました。残業代が出ないなんて昔はザラでしたからね。サービス残業って言って。今、最早サービス残業=悪ですもんね。

津雲 はい(笑)ハッキリ“悪”ですね。

河本 どうなんその会社みたいな。

津雲 うん。

河本 一時流行った“ブラック企業”も鳴りを潜めて、それだけ労務、仕事をする労働する環境が整ってきたんだと思うんですよね。

津雲 この10年位で随分環境は整ってきたと。

河本 いわゆる、大手企業だけじゃなくて、中小企業、零細企業にもそれが浸透してるっていうのが、この10年での一番大きな変化なんじゃないかなっていうのを思うんですね。そうすると、今度企業はどういう風な対応を取ってくるかなって言うと、恐らく当たり前ですけど労働の質を求めてくると思うんです。

津雲 「こっちはこれだけ環境を整えたんだから、君達も質を上げたまえ~」みたいな?

河本 そう。その質にお給料を払う。ということは、質が高い労働をできる人っていうのは、高い給料を払ってでもほしいっていうことになってくうんですよ。

津雲 まぁ、そうですよね。

河本 言い方を変えると、これがプロセス重視のやり方だと差を付けにくいんですよ。

津雲 あー。ちゃんと9時~17時まで18時まで席に着いていたからといって、質が高い仕事をしているかどうかは図れない?

河本 質の高い仕事をしていることが分かってても、人によって全然スピードが違ったり成果が違ったりするので、お給料にそこまで差を付けられないんですよね。

津雲 うーん。

河本 いわゆる、新卒一括採用みたいなことをやってると尚更。でも、それがどんどん時代にも合ってないし無理になってきて、その質の差っていうのもどんどん開いていってるので。いわゆる、新卒に年収1000万円払うみたいな話はニュースでもよく見ると思うんですけど。いわゆる質ですよね?それって完全にプロセスじゃないですもんね?

津雲 じゃないですね。

河本 要するに、高くお給料を貰える労働者っていうのが増えてくると思うんです。

津雲 ほぉ~。そのできる人、質が高い仕事をする人は、それだけの高い収入を得る可能性が高くなって来てる?

河本 はい。言い方を変えると、「その質は誰が上げるんですか?」って言うと、自分なんですよね。

津雲 あぁ~そっかぁ…(笑)

河本 誰かが勝手に上げてくれるんじゃなくて、要するに、自分が学校の時に勉強したのと同じように、勉強したり体験したり色んなことをしながら、自分の質を上げ続けないといけなくなってくると。

津雲 あー…。

河本 そうじゃないと、環境は最低限整ってるので。ある程度ですけど。

津雲 はいはい。

河本 次に質を求められる時に「それは嫌です」ってなると、「じゃぁ、このお給料しか無理ですね」っていう話にはなりますよね?っていう。

津雲 そうですね。じゃぁ、逆に言えば、「もう自分は別にいいや」っていう人は、今のままでも構わないという事にもなりますよね?

河本 なります。それが、いわゆる“プロセス型”なので、クビにできないんですよね。

津雲 はい。

河本 「ここで成果が出なくても、違う部署行ったら出るかも知れないじゃないですか?」と。「こっちにまだ行けるじゃないですか」と。「こっちの生産が下がったからと言ってこっちは忙しいじゃないですか」と。

津雲 はい。

河本 っていうことを企業は求められてたので。

津雲 今までのプロセス重視だったら、「ちょっとここには合わないな。ここでは成果は出ないな」っていうのでも、クビにすることはできないから、「別の所で頑張りなさいよ」っていう配置転換をしていたと。

河本 そうですそうです。それが、いわゆる、成果型になるとできなくなる訳ですよね?成果が出るか出ないかなので、クビになりやすくなるということです。

津雲 おぉ~…はい(笑)

河本 でも、その代わり、成果を出すと沢山お給料を貰えるという。そういう事が今すぐには起こらないです。でも、10年とか15年位のスパンで、そういう風な方向性にいく元年がこのコロナ期なんじゃないかなという。

津雲 元年かぁ…。

河本 その“デジタル”っていうのも含めて。1年や2年ではそんなに変わらないですよ。変わらないけど、ちょっとずつちょっとずつ制度も変わり始めてるなっていうのも感じてるので。それを求めている人達も沢山いると思うんですよ。成果型で働きたい人も沢山いる。でも、プロセス型で働きたい人も絶対に一定数はいると思うので、企業がどういう体制を作ってるのかとか、どっち型を望んでいるのかとか、そういうことをはっきりと労使で話し合って、そこを共有しておくっていうのはすごい大事になってくるんだろうなっていうのは思います。
それに、異動ができなくなるっていうことは、そこの部署が、簡単に言ったら、生産減とか何かテクノロジーの進化とかでなくなっちゃうと、異動ができないので終わりですからね。

津雲 はい…。そっかぁ…。

河本 あまり一般的には異動したくないって言う人が多いんですけど。異動しないリスクっていうのはそういう所にあると。「異動をしないんだったら、そこで成果を出せなかったら終わりですよね?」っていう。まぁ、何を取るかなんですよね。どれが良いか悪いじゃなくて。

津雲 そうですね。だから、自分がこの仕事に就こうと思った時に、就こうと思ってる会社がどういう考えなのかっていうのを確認する作業が必要ですよっていうことだし、雇う側がどういう考えなのかっていうのをちゃんと話して説明をして同意を得ないといけないよっていうことなんですかね?

河本 そうですね。まぁ、言ったら「僕の労働力をおたくは活かせるんですか?」みたいな。

津雲 あははは(笑)

河本 「おたくの会社は?」と(笑)

津雲 まぁ、でも、そういうのってちゃんと話し合っておいた方が、後々問題にならないで済むっていうことですよね?

河本 そうそうそう。「よりもっと活かせる会社に私行きます」みたいな。

津雲 そういうこともあり得るんですね?

河本 余裕であり得ますし。っていう所が、一括りにはできなくなってくるんじゃないかなっていうことを思って、そろそろ今まで一応はね、何だかんだプロセス重視の、何だかんだ昭和型?学校型と言いますか。

津雲 はい(笑)

河本 自習をする生徒ってあまりいないじゃないですか(笑)

津雲 あー。

河本 自習って言ったら遊びでしょ?

津雲 そうですよね(笑)「この時間自習」って言われたら、まぁ、プリントを配られたらやりますけどそうじゃなければ(笑)

河本 やってるのは数人で、ほとんどが寝るか遊ぶか。まぁ、大体、自分で仕事をするってなった場合の割合もあんまり変わらないと思うんですよ。

津雲 学校の時と変わらないんですね(笑)

河本 変わらないです。じゃぁ、自習で成果を出せますか?

津雲 なかなかねぇ…。

河本 っていう様な時代に少しずつなってくると思うので。自分がどうしたいかっていうのを、新しいことをインプットした上でどんどん考えていってほしいなって。今だけ、過去だけで考えても最適な答えは出ないので。

津雲 今までこうだったから、この先もこうだって思っててはいけないと?

河本 うんうん。そういう風に強く感じたり、あと判例も。高裁の判例なので、まだ最高裁じゃないのでアレですけど。そういう異動を、今まで企業が異動をさせる事は解雇しない事とバーターなのでね。

津雲 はいはい。「雇い続ける代わりに、働く場所、働く仕事がちょっと変わりますよ」っていうのが今までは。

河本 そう。セットなので。言い方を変えると、アメリカとかはそんなセットはないので。異動させてはダメなんで。

津雲 あー。合わないと思ったらもう。

河本 その代わり、上司が基本的にはクビにする権限を持ってるんですよ。大した理由がなくても。

津雲 はい。

河本 それが、性別なり年齢なり人種なりを理由としては絶対にダメだけど、仕事ができないとか態度が悪いとかはOKなんですよ。

津雲 よく映画とかで見ますもんね。「はいクビ~!」っていうのがね。

河本 それも、全部セットなんですよね。そのセットである異動を制限するという事は、成果を求める方向性に一歩前進したのかなっていう。これを前進と呼ぶのかどうかは人によるんですけど。

津雲 まぁ、変化には変わりないですね。

河本 今までそんな判例ほぼないので。

津雲 「段々とそういう社会になっていきますよ。あなたはどっちですか?」っていうことを問われていると?

河本 でも、外資系なんて昔から“ポスト主義”なので。ポストが空いたらそこを採用する。部下無し課長みたいなのがいないので。

津雲 はい(笑)

河本 異動なんて基本的にないので。元々、制度として、“日本型”って言われるものをやってないのでクビにしやすいんですよ。一個でも日本型を取り入れるともう無理ですね。

津雲 崩れていっちゃう訳ですね。

河本 まぁ、現行の法律でもやろうと思えばできるんですけど。でも、それって相当な相互理解が必要っていう風に思いますね。

津雲 はい。ということなので、そろそろ自分はどっちを望んでいるのか、もし、その自分はできる子だと。どんどん出世をしていきたいんだ!と思うならば質も考えようよと。

河本 うん。求められる感じですかね。お給料が欲しかったらですけど。

津雲 はい。ちゃんと私も考えなきゃな(笑)そう思いました。

河本 あははは(笑)

津雲 はい。マインズのわくわくキャリア相談室、本日はこの辺りでお別れです。次回は5月27日の放送です。河本さん、ありがとうございました。

河本 ありがとうございました。

津雲 この番組は、株式会社マインズの提供でお送りしました。