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新型コロナウイルス感染症の水際対策として行われていた入国制限措置が、10月1日より段階的に緩和され始めました。
その一環で、ビジネス上に必要な人材や留学生、家族滞在などの中長期の在留資格を持つ外国人の新規入国が再開されました。
経済界から待ち望まれていた、外国人の新規入国。
その理由の一つに、深刻化する日本の労働力不足があります。
総務省統計局が発表した2020年4月の人口推計によると、「生産年齢人口」と呼ばれる15歳から64歳の人口は7476万3000人。
総人口の57.8%となっています。
生産年齢人口は、1995年をピークに減少を続けており、今後もますます減っていくと考えてられています。
この労働力不足を打開するためのポテンシャルワーカー(従来の労働者層とは異なる、新たな働き手となる人材層)として、外国人が欠かすことができなくなっています。
外国人が日本で就労しやすいよう、2019年からは新たな在留資格も設けられました。
◆就労ビザを持っていなくても、働ける外国人も!
日本において、本来は外国人の単純作業は認められていません。
外国人が日本で働くためには、「就労ビザ」と呼ばれる在留資格を取得することが必要です。
そして、該当の資格の範囲内でのみ就労が認められます。
しかし、就労ビザを持つ方以外にも、日本での就労を認められている在留資格が存在します。
■就労に制限のない「身分・地位に基づく在留資格」 |
「永住者」 「日本人の配偶者等」 「永住者の配偶者等」 「定住者」 上記4つの在留資格に限り、日本人と同様にどんな仕事にも就くことができます。 |
■資格外活動許可を得ることで、一定の条件下で働くことが可能となる「留学」「家族滞在」 |
「留学」 日本の教育機関で学ぶことを目的として在留する方に向けた資格です。 学業の妨げにならない範囲で、上限週28時間までの就労が認められています。 ※学校の長期休暇期間中については、上限週40時間までの就労が可能です。 「家族滞在」 長期滞在外国人で家族帯同が認められている資格を持つ、外国人の配偶者や子供に認められる在留資格です。 週28時間を上限に、就労が認められています。
この2種類の在留資格を持つ方でも、「資格外活動の許可」を得られた方のみに就労が認められるため、この許可を取っていない方は就労できません。 しかし、業種や職業といった制限がほぼないため、幅広いジャンルで働くことができます。 ※「風俗営業」に関わる仕事に関しては禁止されています。 |
この6つの在留資格を持つ方には、業種・職種を問わず働くことが認められ、単純作業を含む仕事に就くことも可能です。
弊社でも上記条件を満たした多くの外国人人材が登録しており、派遣スタッフとして就業しています。
労働力の確保の為につくられた新たな在留資格「特定技能」
また、2019年4月、新たな就労ビザとして誕生したのが「特定技能」です。
「特定産業分野」として指定された14分野の業種において、就労を認められる在留資格になります。
特定産業分野14業種 |
介護業、ビルクリーニング業、素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業、建設業、 造船・舶用工業、自動車整備業、航空業、宿泊業、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業 |
特定技能には1号、2号の区分あります。
■特定技能1号
特定産業分野に課せられる「技能評価試験」と「日本語能力試験(N4以上)」の受験に合格する、または、技能実習2号を良好に修了することで、最長5年間日本での就業が認められる在留資格です。
■特定技能2号
特定技能2号は、特定技能1号で5年間の在留期限を修了し、さらに各所轄省庁が定める技能試験に合格した人材に認められる資格で、2021年度から試験が始まる予定です。
在留期限は3年ですが、更新回数に制限がないため、在留期限の上限がありません。
※現在は、建設業と造船・船用工業の2業種に限られています。
特定技能 | ||
1号 | 2号 | |
技能水準 | 技能実習2号の修了 もしくは 特定技能評価試験の合格 | 熟練した技能を有すること ※業所管省庁が定める試験によって確認 |
日本語能力水準 | N4以上 | 不問 |
在留期間 | 最長5年 | 更新により上限なし |
家族帯同 | 不可 | 可能 |
対象業種 | <14業種> 介護業、ビルクリーニング業、素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業、建設業、造船・舶用工業、自動車整備業、航空業、宿泊業、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業 | <2業種> 建設業、造船・船用工業 |
各種支援 | 受け入れ機関(就業企業)もしくは登録支援機関による日常生活上,職業生活上又は社会生活上の支援 | なし |
今後、業種の拡大が見込まれており、さまざまな分野で外国人の活躍の場が増えると予測されます。
特定技能の在留資格取得は、基本的に国籍を問わずできますが、実質的には日本と送り出し国となる2国間協定を結び、協力覚書を作成した12か国(フィリピンやカンボジア、ネパール、ミャンマー、モンゴル、スリランカ、インドネシア、ベトナム、バングラデシュ、ウズベキスタン、パキスタン、タイ)が対象国となっています。
初めての外国人採用は派遣から!
とはいえ、外国人労働者を自社で雇用する際は、雇用形態に関わらず、雇入れ及び離職時にさまざまな義務が雇用主に生じます。
例えば、「外国人雇用状況」の届け出やパスポート、在留カード、在留期限が有効であるかどうかの確認も必要です。
それに加え、例えば特定技能1号には、日本で生活するためのサポート業務まで企業に義務付けられています。
また、資格外活動の許可を得た留学や家族滞在の方の場合、労働時間の管理やその他租税条約や学生条項等免税の確認(国籍や居住状況により免税となる場合もあるため)など、さまざまな管理・確認も必要となります。
雇用管理に関する内容が日本人よりも多いため、ハードルが高くなっているケースも多いと思われます。
加えて、「日本語はどのくらい通じるのか?」「文化の違いでトラブルは起きないか?」などの不安もあり、なかなか外国人を採用するには至らない企業様も少なくはないでしょう。
このような実態が見えず、一歩が踏み出せない企業様は、外国人派遣から始められることをお勧めします。
派遣の場合、各種手続き・管理業務については、派遣会社が担います。
また、日本での生活が長い外国人や留学生など日本文化に関心の高い人材が中心になりますので、比較的企業に馴染みやすいようです。
まずはこういったところから外国人と共に働き、互いに理解を深めていった上で、自社長期雇用で就労ビザ外国人人材導入を検討されてみていはいかがでしょうか?
弊社では、派遣会社として外国人派遣を行うだけでなく、「登録支援機関(20登-003733)」として特定技能1号の受け入れ、ご紹介などを行っています。
兵庫県下の企業様からの依頼を受け、各種支援業務も行うことが可能です。
「外国人人材に興味がある。でも、どこか不安がある」という企業様は、お気軽にご相談ください。
WEB相談も実施しております。